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海洋関連国際シンポジウムを開催しました

近 年,社会の多様化に対する認識が高まるにつれ,何らかの障害のある人も障壁なく社会に参画できる機会が担保されるよう,様々な動きが見受けられます。そこ で長崎大学では,障害のある学生が,より平等かつ公平な教育を受ける機会を実現すべく,平成25年8月1日付で『障がい学生支援室』を設置しました。
ま た、平成24年12月に「障がいのある学生の修学支援に関する検討会報告(第一次まとめ)」がまとめられ,高等教育段階における障害のある学生への修学支 援について提言されています。平成25年6月には「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」が公布され,障害を理由とする差別の解消の推進が求め られています。
今後,長崎大学は障害のある学生に対してより積極的に支援するために学内体制を整備し,学生のみならず支援に携わる教職員への支援も行いつつ,障害のある学生も心地よく勉学できるコミュニティの構築を目指して参ります。
並行して,外部団体や組織との連携を図りつつ,修学のみならず,入学や就職活動においても配慮並びに支援を充実していく所存です。
ついては,高等教育段階における障害のある学生への修学支援について,我が国の現状や動向及び米国での状況を理解し,今後の長崎大学における修学支援を充実させることを目的として別紙のとおり記念講演会を開催しますので,多数ご参加くださいますようご案内いたします。

11月11・12日の両日、長崎大学主催による国際シンポジウム”Human Impacts on Oceanic Environment, Ecosystem, and Fisheries”が長崎市内で開催されました。本シンポジウムは、アジア・オセアニア海域において人間活動による海洋環境、生態系および漁業への影響について議論し、今後の対策と適応策を探ることを目的として企画されました。長崎大学高度化推進経費、JST-MOST研究交流[気候変動]、文部科学省特別経費”Sustainable Aquatic Food and Environment Project in the East China Sea”、重点研究課題”Research Initiative for Adaptation to Future Climate Change”、水産・環境科学総合研究科、国際連携研究戦略本部および水産学部からの支援を受けて実施したものです。これらの経費で、ベトナム、バングラデシュ、マレーシア、オーストラリア、韓国、台湾から計16名を招聘、このほか自費による海外からの参加者が5名(中国1名、香港2名、マレーシア2名)と、アジア・オセアニア各国から気鋭の研究者が参加しました。

11日には、片峰学長および早瀬研究科長による開会挨拶の後、シンポの目的についての講演があり、午前中には日本、ベトナム、バングラデッシュおよびマレーシアにおける海洋環境問題および漁業問題についての現状報告がなされました。11日午後には海洋汚染について、12日午前中には気候変動の海洋への影響、そして同日午後には人間活動が海洋生態系および漁業に及ぼす影響についての最新の研究成果が紹介されました。12日最後のセッションでは、日本国際協力機構(JICA)の国際協力専門員杉山俊士氏により「科学界がいかに発展途上国の海洋生態系保全および漁業生産の維持に関わるべきか」という講演がなされました。参加者は、講演者を除いて述べ170名を超える盛会となりました。

日本国内にいてはなかなか実感できませんが、特に東南アジアにおいては海洋汚染が非常に深刻な状況となっている国々、また温暖化や酸性化などの海洋気候変動の影響が既に眼に見える形で進行している国々があるということを現状報告ではまざまざと見せ付けられました。これらの国々は、私たちが日本で消費している水産物の重要な供給源となっていることから、アジア・オセアニアの海洋環境を保全し、漁業および養殖生産を安定的に維持していくことが日本を含む先進国にとっても、きわめて重要な課題であるということを再認識させられました。そして、海洋環境の変化が今後どのような影響を生態系や漁業生産に及ぼすのかについて地域の研究者が定期的に集まり、情報交換、議論を続けて行くことが提案されました。

長崎大学として、今後東南アジア諸国と研究教育面でのつながりを強化し、海洋環境と漁業と取り巻く諸問題に一層の努力を傾けることが求められています。


集合写真

シンポジウム後の記念撮影