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BSL-4施設の設置場所に関するWHO(世界保健機関)の見解について

2014年12月08日

BSL-4(高度安全実験)施設の設置に関連して、国内の一部で、WHO(世界保健機関)が「バイオ施設は人里離れた場所や離島につくるよう勧告している」「BSL-4施設の市街地への建設はWHOの勧告違反」という誤った情報が伝わっています。

長崎大学はBSL-4施設の設置を検討するにあたり、本件をWHOに問い合わせましたが、WHOの担当者からは、
「BSL-4施設が正しく建設され、適切に運営されるのであれば、都市の中心部に建設されたとしても問題ない」
との回答がありました。実際、欧米諸国の高度封じ込め実験施設(BSL-4施設など)や危険度の高い実験施設を有する病院や研究所の多くが、大学構内や市街地に建設され稼働しています。WHOは、これら市街地の立地について問題にしたことはありません。

それでは、なぜこのような誤った情報が広まっているのでしょうか。私たちが確認したところでは、WHOが1997年に発表した「保健関係施設の安全性(Safety in health-care laboratories)」と題する文書の誤訳が原因となっているようです。この文書では、病院内や研究所内に検査室・実験室を設置することを前提とした文章のなかで、高レベルの封じ込めを要する検査室・実験室区域は「建物内で、一般の人が出入りする区域からできる限り離した場所に設置すべきである」と記載されています。この前提条件を読み飛ばしたために、誤った解釈につながったようです。

なお、WHOが2004年に出した最新の指針「実験室バイオセーフティ指針第3版2004(Laboratory biosafety manual, Third edition WHO 2004)」では、「実験室は、建物内の往来が制約されていない区域とは切り離さなければならない。実験室を廊下の行き止まり部分に設置したり、仕切り、ドア、または実験室と実験室に隣接する場所の差圧を維持するために設計された前室を通って入るようにすることで、さらにしっかりと隔離できる」と、建物内でのバイオ施設の位置関係として明快に記載されています。

上記は、私たちがWHOに直接確認し回答を得たものですが、実は、1997年の文書の誤訳についての指摘は、すでに2000年の国会でも取り上げられており、国の答弁書としても公表されております。

<参考:平成十二年五月十二日受領/答弁第一四号>
辻元清美衆議院議員提出バイオ施設の安全性に関する質問に対する答弁書(抜粋)
「Safety in health ‐care laboratories」は、世界保健機関の公式文書ではなく、内容についてはその著者が責任を持つとされていると承知している。また、同文書の16ページにおいては、高度封じ込め実験検査室あるいは感染リスクの高い実験検査室は、患者のいる場所や公共部分あるいは人の行き来の多い通路から離れて設置すべきである旨が記載されているが、これは、病院等の施設内においてどこに実験検査室を配置するかを論じているものであり、実験検査室が住宅地及び公衆の集まる地域に立地することの是非を論じているものではないと承知している。
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumona_pdf_t.nsf/html/shitsumon/pdfT/b147014.pdf/$File/b147014.pdf

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