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斜張橋ケーブル点検ロボット  長崎大学と株式会社長大、協和機電工業の3者が共同開発

国立大学法人長崎大学海洋未来イノベーション機構の山本郁夫教授と工学研究科の中村聖三教授らの研究グループは、東証2部上場で建設コンサル大手の株式会社長大、環境創造企業の協和機電工業株式会社(本社長崎市)と共同で、斜張橋ケーブル点検ロボットを開発しました。

斜張橋は、橋桁を支持するためのケーブルの外周面に保護管が設置されています。この保護管が損傷すると、内部鋼線の腐食が生じるため、平成26年度に義務付けられた5年に1度の頻度での橋梁定期点検に合わせて、ケーブル外観も点検を行うことが望まれています。この作業は、高所作業車を用いた点検では、高さ30mを超える高所のケーブルの近接目視自体が困難であるという課題を抱えており、それに代わるロープアクセス等による近接目視点検の実施においては、高所作業に伴う危険性や作業時間、点検コストが問題となっています。こうした課題に対応するため、今回、本学など3者で斜張橋ケーブル点検ロボットを開発したものです。

この斜張橋ケーブル点検ロボットは4枚のプロペラとガイド補助輪を用いたケーブルへのはめ込み型で、機体内側に設置した複数のカメラでケーブルを点検します。さらに、自動制御装置や無線装置の導入により、将来的には自動点検も可能になると期待しています(写真1)。

これまでに、長崎港入口にかかる女神大橋で実験を行い、強風時でも、安全で速やかに橋梁点検ができることを確認しており、効率的に橋梁点検を実施できることを実証しています(写真2)。

なお、この斜張橋ケーブル点検ロボットは、メカニズムの発案を山本教授、橋梁への適用検討を中村教授が主に行い、製作および実験を長崎大学工学研究科山本研究室、株式会社長大、協和機電工業株式会社が協力して行いました。

 

 




                      
 


【写真1】 斜張橋ケーブル点検ロボットの構成

 

【写真2】 女神大橋での点検実験