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【訃報】 下村脩長崎大学名誉博士がご逝去されました

長崎大学名誉博士である下村脩先生が10月19日午前6時15分、長崎市内で老衰により亡くなられました。享年90歳でした。
なお、葬儀は10月21日、近親者のみで執り行われました。今後の事については未定ですが、決定次第改めて発表をする予定です。

 下村先生のご逝去の報に接し、河野茂長崎大学長からの追悼の言葉は以下の通りです。
「下村脩先生のご逝去の報に接し、大変驚くとともに、長崎大学にとって無二の先達を失った悲しみで一杯です。下村先生は、長崎医科大学附属薬学専門部を卒業後、本学の助手となり、名古屋大学で理学博士を取得しました。その後、米国プリンストン大学に留学の機会を得、ライフワークとなるオワンクラゲの生物発光とめぐり合いました。下村先生は、世界で初めてオワンクラゲより発光タンパク質イクオリンと緑色蛍光たんぱく質GFPを発見し、オワンクラゲの発光機構を解明しました。さらには種々の発光生物の科学的解明を行い、生物発光分野での世界的な権威となられたのです。特にGFPは、他の遺伝子に融合させて細胞に導入すると、生きた細胞内の特定の場所に蛍光を作り出すことができるため、遺伝子発現のレポーターやタンパク質の標識として多用されており、分子生物学の分野に大きな貢献を果たしています。GFPを発見したことにより、2008年にはノーベル化学賞を受賞されました。このように、下村先生は本学を卒業後、米国において世界的な科学者として活躍され、学術文化の発展に多大の業績を挙げ、本学の名誉を高め、また学生及び若い研究者を大いに発憤興起させ、本学の教育及び研究の進展に大きく寄与していただきました。これまでのご功績と、長崎大学へのご貢献に対し心よりの感謝を申し上げますとともにご冥福をお祈りいたします」