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大学院工学研究科総合工学専攻 電気電子工学コース 博士前期課程2年生の三枝香風君が電気学会A部門優秀論文発表賞(A部門賞)を受賞しました

2019年8月5日〜8月6日に開催された電気学会マグネティックス研究会における大学院工学研究科総合工学専攻 電気電子工学コース 博士前期課程2年生(発表時は1年生)の三枝香風君の下記論文に対する発表が,電気学会A部門優秀論文発表賞(A部門賞)に選ばれました。本賞は電気学会A部門における若手発表の中から優れた発表に対して与えられるものであり,2019年度は電気学会A部門における全若手発表(340件)の中から,27件が表彰されました。

                     記
論文題目:「クエン酸浴から作製したナノ結晶Fe-Co電析膜」
著者:三枝香風,原田大暉,田中凌将,加治淳一,山下昂洋,柳井武志,中野正基,福永博俊

論文概要
近年ではスマートフォンやウェアラブル端末など,多くの携帯用電子機器が人々の暮らしに普及している。これらの機器では,携帯性向上のために小型・軽量化であることに加え,長時間駆動のために省エネ化が同時に求められる。そのため,その内部で用いられる磁性部品の小型化・低損失化が強く求められる。磁性部品の小型化には飽和磁束密度の高い材料の選定や駆動周波数の増加が有効であることから,高飽和磁束密度材料として知られるFe-Co系合金を用い,高周波駆動時のうず電流損失対策として膜状に形成することで,小型・低損失の両立を目指した論文である。さらに,ナノメートルスケールの結晶組織を構築することで発現する「結晶磁気異方性の平均化」を利用することで,より一層の低損失化を目指している。この研究では,基板界面から膜の表面に向けて構築される結晶構造と磁気特性に着目した検討がなされており,めっき浴に添加するクエン酸量により,形成される組織が厚み方向に対して変化することや良好な軟磁気特性を得るための組織制御の必要性などを明らかにしている。

三枝香風君
三枝 香風 君
優秀論文発表賞(A部門賞)