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教育学部長に就任して 教育学部長 村田義幸

教育学部長に就任して

教育学部長 村田義幸 教育学部長
村田義幸

平成20年度は教育学部にとってターニング・ポイントです。学部教育においては,教員養成を目的とした学校教育教員養成課程と,広く社会全般で活躍できる人材の育成を目指した情報文化教育課程の2つの課程を統合し,学校教育教員養成課程の1課程とし教員養成に特化しました。平成10年からの10年間情報文化教育課程で蓄積してきた業績,財産は,幼稚園,小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校の教員養成に活かしていきます。高度情報社会,国際社会の一員として活躍する教員の養成においてICT を活用する能力の形成・向上,国際人としての教養やコミュニケーション能力の向上に活かしていきます。また,音楽や美術等芸術に関わる業績は,芸術的感性の開発に繋げていきます。幼稚園教育コースでは,保育士の養成も行います。一方,大学院教育においては,教育学研究科を教職大学院のシステムを活用した教職実践専攻と教科実践専攻に改め,教員としての資質能力を高め,学校の中核的リーダーとして活躍できる,高度の専門的な知識と教育実践力を備えた教員の養成を目指します。
急激な社会変化の中で,子どもたちの教育に関わる課題は多岐にわたっています。学校教育を担う教師に対する社会の期待は大きなものがあります。その期待に応えることのできる教員には,教職に関する専門的な知識と技能,教科内容に関する知識,そして何よりも児童生徒の成長を支援するという使命感が求められます。かかる資質能力の形成・向上のためこれまで不断の教育課程の改善に努め,コア・カリキュラムを編成してきました。
教育学部として取り組まなければならない課題は,できあがったシステムを確実に運営し,学部の目的として設定した学習の成果を確実に達成していくことです。そのことが,また,長崎県をはじめ九州地区では厳しい状況にある教員採用試験の合格率を向上させることに繋がると考えます。学部・大学院の教育研究の充実と出口管理が最大の課題であるといえます。かかる課題を達成するためには,学部教職員が目的を明確にし合うとともに,目的を達成するための協働的な職能開発が必要であると考えます。教員の研究活動の充実と研究成果の教育への反映,FD・SD 活動の充実を図ることで学部・大学院教育を高めていく必要があります。P − D − C − A(それに各段階でのR)のサイクルの中で実り多い教員養成を目指したいと考えます。
教育委員会や他大学との連携協力も進めていく必要があります。これまで長崎県教育委員会をはじめ県下の市や町の教育委員会,県内公私立大学,JAXA などとの連携協力を進め,関係を深めて参りました。平成21年度から本格実施される教員免許更新制度に対応していくためには,長崎大学内の他学部,さらには他大学その他の教育機関との連携協力関係をさらに深めていく必要があります。学校教育の場でリーダーとして活躍できる教員の養成,さらには現職教員の生涯にわたる研鑽の場を豊かにしていくことで教育界に貢献していきたいと思いますし,そのために不可欠な教育研究の充実を図っていきたいと思います。
今後ともご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。