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水産学部長に就任して 水産学部長 片岡千賀之

水産学部長に就任して

水産学部長 片岡 千賀之 水産学部長
片岡 千賀之

関係者のご努力で念願であった水産学部の建物が改修され,見違えるようにきれいになりましたし,学生の自習室や休憩室も確保されました。2隻ある練習船のうち1隻は代船建造されて,教育研究環境が大きく改善されました。教育面では,JABEE(日本技術者教育認定機構)の認定基準に基づいた教育を進めています。研究・地域貢献の面では,他機関と連携して地域水産業再生に向けたプロジェクトを推進していますし,長崎大学の重点研究課題である「東アジア沿岸環境・資源回復研究拠点」形成のため,若手研究者の育成を図っています。
このように一見,順風満帆にみえますが,少子化の進行,運営交付金の漸減,基礎産業である水産業の縮小など,水産学部を取り巻く環境は相変わらず厳しいものがあります。ただ,そうした中でも海洋環境の保全,食料生産の向上,食の安全・安心に関する水産学部の役割・期待の大きさも感じています。
これから先2年間は,水産学部のたてた中期目標の達成に向けて努力しなければなりませんが,併せて基本的課題でもある,いかにして水産学部の魅力を高めるのか,いかにして基礎教育の充実と学生の知識・技術の向上を図るのか,いかにしてフィールドワークを重視して問題解決型の教育を推進するのか,どのように長崎大学水産学部ならではの個性的な教育研究を推進するのかを考える必要があります。しかも,教員数が限られており,教員の活動の場が多岐にわたっていますので,効率的かつ重点領域を絞って運用することが求められます。フィールドワークの重視にあたっては,練習船を活用できるという利点を生かしたいと思います。
長崎は,立地的に東シナ海や有明海などさまざまな特徴をもつ海域に囲まれておりますし,中国,韓国などとは学術面,漁業面の関係もありますし,恵まれた資源を背景に水産業が集積し,また,国,県,大学の水産研究機関も揃っていて,水産科学の教育研究にはもっともふさわしい土地だと思います。こうした有利な条件と水産学部が積み重ねてきた蓄積,経験を生かした未来像を展望したいと思います。
私には組織運営の経験も才能もありませんので,学部内の教職員,ときには学生の知恵とエネルギーを活用させていただくつもりです。また,学部だけでできることは限られますので,長崎大学の他部局,学外の関係機関と密な連携を図っていくつもりでおります。よろしくご指導,ご協力のほどお願い申し上げます。