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「第13回WHO-REMPAN緊急被ばく医療国際専門家会議」を開催

REMPAN会議出席者の集合写真

会議出席者の集合写真

 長崎大学グローバルCOEプログラムでは,2月16日から18日にかけて第13回WHO‐REMPAN国際専門家会議を医学部良順会館において開催し,18ヶ国から80名以上の参加者がありました。REMPANとはRadiation Emergency Medical Preparedness And Networkの略で世界の原子力災害や放射線事故に対応する世界保健機関WHOの国際ネットワーク機構です。

 1986年のチェルノブイリ原子力発電所事故の翌年に,WHOはREMPAN組織を立ち上げて,国を超えて拡がる原子力災害への対応を始めました。現在13の協力センターと27のリエゾンオフィスが世界に指定されWHOと協力して被ばく者の診断・治療に加えて,医療従事者の教育訓練にあたっています。本分野の専門家は世界的に見ても少なく,WHOは,各国の専門家をREMPANという組織に糾合し,被ばく医療の国際的な協力体制づくりを目指しています。2008年に長崎大学が新たにREMPAN協力センターに再指定され,本年度の会議主催となりました。

 会議の冒頭では,片峰茂学長,厚生労働省の麦谷眞里審議官,原子力安全委員会の久住静代委員からご挨拶を頂き,引き続き放射線医学総合研究所の明石真言緊急被ばく医療センター長,東京大学名誉教授の前川和彦先生,そして国際原子力機関IAEAのラファエル・マーティンシック氏がオープニングの基調講演をされました。本会議では,各国の現況報告,近年の事故及び急性放射線障害への対応が発表され,最新情報の交換・新会員の紹介が行なわれました。最終日には,放射線影響研究所を中心とした晩発性原爆放射線障害の発表と,核テロを想定した机上演習が行われました。今回の交流成果を受けて,次回は姉妹校でもあるビルツブルグ大学で2年後に開催される予定です。