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東日本大震災・支援活動

福島未来創造支援研究センター

(14)川内村の「いわなの郷」

2018年07月15日

   震災後3年目から、川内村では放射線災害医療サマーセミナーが毎年開催され、笹川記念保健協力財団のご支援で福島県立医科大学と長崎大学が協力して講義と実習を担当してきました。フィールドツアーでは、原発見学もありますが、何よりも被災地での交流体験が大きな教育効果をあげています。
   川内村にある「いわなの郷」はその学生らの宿営地を提供していますが、まさに字の通り、清流に棲むイワナを養殖し、自然に囲まれた釣り堀で、自分で釣った魚をその場で捌いて塩をまぶし、1時間以上炭火焼で熟成した絶妙の味を満喫できるのです。福島原発事故以降、阿武隈山系に降り注いだ放射性降下物の影響で、農林水産業も大打撃を受けました。実際に測定基準値を超えた食品は流通制限となりましたが、何よりも福島産というだけで買い控えや消費者の不安を増長させ、風評被害が広がりました。
   そのような困難を乗り越えてきた経緯を直接村民から聞き、放射性物質の半減期やウェザリング効果などで現在の川内村産の安全がきめ細かにモニタリングされていることを学びながら、学生らも先入観や偏見を払拭しています。「百聞は一見に如かず」と同時に、「真理探究の道」を目指す学生らの将来の活躍を期待したいと思います。