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東日本大震災・支援活動

福島未来創造支援研究センター

長崎大学病院が「福島県相双地域の医療・介護関係者向け嚥下ケア事業」を発表 

2012年09月19日

  長崎大学病院は、「福島県相双地域の医療・介護関係者向け嚥下ケア事業」を発表した。今後、福島県相双地域の医療・介護関係者を対象に「嚥下ケア研修会」を開催すると同時に、12年度中をメドに嚥下ケア支援者のためのハンドブックを作成する。
<南相馬市等の状況・嚥下ケア研修の必要性>
  震災から約1年半経過後も、多くの被災者が仮設住宅で暮らす南相馬市等では、地元の歯科衛生士ほか医療介護職者は仮設住宅を一軒一軒訪問して支援活動を続けている。
  こうしたなかで高齢者や要介護者は嚥下障害を抱えている方が多く、近隣に嚥下ケア専門機関を持たない南相馬市等では、地元支援者の嚥下ケアのスキルアップが急務であり課題となっていた。口の中を清潔に保つことが難しい避難生活の中で、食物を飲み込む機能が低下する高齢者の口腔ケアは肺炎予防の面から重要視されている。阪神大震災では、口の細菌が誤って肺に入って起こる誤嚥性肺炎が、震災関連死のうち最も多い原因として問題になった。
  長崎大学病院の歯科部門は昨春、南相馬市等の被災者の口腔ケア巡回支援を行い、その後も相双保健福祉事務所と情報交換や講演会など交流を続けてきた。本院の歯科部門は専門外来である口腔ケア摂食嚥下リハビリセンターを有していることから、平成24年3月、相双保健福祉事務所より支援要請を受け、現地の医療・介護関係者に、嚥下障害への対応法などを身に付けてもらおうと事業を検討。全国86の国立大学で構成する一般社団法人国立大学協会の「平成24年度震災復興・日本再生支援事業」に採択された。
  事業の採択を受け、9月下旬以降、嚥下リハビリセンターと栄養管理室所属の歯科医師・言語聴覚士・看護師・栄養士計8名が現地に赴き、医療・介護職種140名に対して、嚥下ケアの技術習得研修会を計3回開催する。また、摂食嚥下に関する医療・介護関係者向けのハンドブックを平成24年度中に作成する予定。

 

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■元記事
プレスリリース「【福島県医療支援】被災地福島県相双地域の医療・介護関係者向けに嚥下ケア事業」