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HOME>第2回テニュアトラック研究発表会を開催します。

第2回テニュア・トラック助教研究発表会

日時: 平成21年6月18日(木) 午後4時10分〜6時10分
場所: 坂本地区 医学部良順会館専斎ホール

開催趣旨: 長崎大学テニュア・トラック助教のうち、医歯薬学総合研究科所属の新竜一郎助教、荻朋男助教、大山要助教および熱帯医学研究所所属のRichard Culleton 助教にこれまでの研究成果の進展状況について発表していただきます。


新 竜一郎
 医歯薬学総合研究科感染免疫学講座 感染分子解析学分野
 「感染症創薬研究推進拠点」
 
概要: プリオン病を引き起こす感染病原体は、プリオンと呼ばれ、ウイルス、細菌などの微生物とは異なり、病原特異的な核酸(DNAあるいはRNA)は見つかっていない。プリオンはおそらくは単一のタンパク質である異常型PrP(プリオンタンパク)のみから構成されている、とするタンパク単独仮説が提唱され、それを支持する多くの実験結果の集積と共に、その仮説が広く受け入れるようになったが、人工的に作った異常型PrPに感染性があることを示すという、タンパク単独仮説の最終的な証明はいまだなされていない。またプリオン病では異常型PrPが検出されることが確定診断と同等の意味を持つが、ほとんどの場合、生前の確定診断には脳生検が必要となる。しかし、脳生検の実施は危険を伴い、困難である。そこで我々は、採取が容易な髄液中に含まれるごく微量の異常型PrPを検出が容易なレベルまで試験管で増やす方法を開発し、プリオン病の早期確定診断を確立することを試みた。多くの試行錯誤の後、高い感度を持つ異常型PrPの試験管内増幅法を開発することに成功した。今回、この異常型PrP試験管内増幅法について紹介する。

荻 朋男
 医歯薬学総合研究科感染免疫学講座 感染分子解析学分野
 「放射線健康リスク制御国際戦略拠点」
  【ヒトのヌクレオチド除去修復における修復DNA合成の詳細】
概要: ヌクレオチド除去修復(NER)は主要な紫外線DNA損傷やベンゾピレンの付加型損傷など、広範なDNA損傷を修復する機構で、バクテリアから高等動物、植物の間で高度に保存されている。ヒトにおけるNERの先天的な欠損は、色素性乾皮症(XP)やコケイン症候群(CS)などの疾患の原因となっている。NERはDNA損傷の認識と切り出しを含む前期過程、損傷切り出し後の修復DNA合成とニック再結合を含む後期過程に分離される。前期過程の分子メカニズムはその詳細が明らかにされているが、後期過程は高等生物においてはよく理解されていない。
今回、修復DNA合成に関与する3種類のDNAポリメラーゼを同定し、その作用機序を明らかにしたので紹介する。

大山 要
 医歯薬学総合研究科感染免疫学講座 感染分子解析学分野
 「感染症創薬研究推進拠点形成」
 
概要: 生体情報解析が創薬における律速になることは少なくなく、解析の基礎となる分析技術の高性能化が創薬研究の進展に果たす役割は大きい。発表者は分析技術の高性能化を目標に、専門とする分析化学的立場から以下の2項目について重点的に研究を展開している。
近年、創薬の基礎・臨床研究では薬剤のターゲット探索や疾病のスクリーニングあるいはステージング判定を目的として、バイオマーカー(タンパク質や代謝物)の網羅的解析が盛んに行われている。特に、タンパク質を網羅的に解析するプロテオーム解析によって、これまでいくつかのバイオカーカーが報告されてきた。プロテオーム解析はその根幹が変動解析(ディファレンシャルプロファイリング)であるため、高精度な定量性が求められるが、現在利用されている既存の分析法は高精度な定量性が得られているとは言い難い。こうした背景から、本研究では高感度かつ高精度な定量性を備えた新規プロテオーム解析法FD-CL-MS/MSに着目し、種々の組織検体のプロテオーム解析に本法を導入している。今回は、抗ガン剤投与後の心毒性発現に関わるバイオマーカーの探索を目的としたToxicoproteomicsについて紹介する。
一方、液体クロマトグラフィー(LC)を基軸とする種々の分離分析法は複数成分の一斉分析が可能な分析法であるため、創薬研究にとどまらず、環境分析や品質管理分析などの幅広い分野において分離分析の主流となっている。本研究では、従来とは異なる分離基材を導入し、LC分離の高性能化に取り組んでいる。今回は、塩基性物質の分離改善を目的として新たに開発した分離基材について紹介する。

Richard Culleton
Department of Protozoology, Institute of Tropical Medicine
「Integrated Global Control Strategy for Tropical and Emerging Infectious Diseases」
  【Gene encoding Erythrocyte Binding Ligand linked to blood stage multiplication rate in Plasmodium yoelii】
概要: Variation in the multiplication rate of blood stage malaria parasites is often positively correlated with the severity of the disease they cause. The rodent malaria parasite Plasmodium yoelii yoelii has strains with marked differences in pathogenicity and multiplication rate in the blood. We have used genetic analysis by Linkage Group Selection (LGS) to identify genes that determine differences in multiplication rate. Genetic crosses were generated between genetically unrelated, fast- (17XYM) and slowly multiplying (33XC) clones of P. y. yoelii. The uncloned progenies of these crosses were placed under multiplication rate selection in blood infections in mice. The selected progenies were screened for reduction in intensity of quantitative genetic markers of the slowly multiplying parent. A small number of strongly selected markers, formed a linkage group on P. y. yoelii chromosome 13. Of these, that most strongly selected marked the gene encoding the P. yoelii Erythrocyte Binding Like protein (pyebl. Our genome-wide LGS analysis also indicated effects of at least one other locus on multiplication rate.

 
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