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任意のゲノムDNA配列を含むリンパ球をフローサイトメトリーで検出する技術を開発

  医歯薬学総合研究科 病態解析・診断学分野の宇野直輝助教と?原克紀教授は、特異的DNA配列を含むヒトリンパ球をフローサイトメトリーで検出する技術を開発しました。
  フローサイトメトリーは細胞表面あるいは細胞内の抗原(蛋白質)を含む細胞をハイスループットに分析する技術として研究や臨床で広く使われています。特異的な核酸をFluorescence in situ hybridization (FISH)で標識してフローサイトメトリーで検出する技術も開発されていますが、ゲノムDNAのように細胞内に1あるいは2コピーしか存在しない核酸は蛍光シグナルが弱いため検出困難であり、mRNAのように細胞内に多コピー存在する核酸に標的が限られていました。このように、特異的ゲノムDNA配列を含む細胞をフローサイトメトリーで検出する技術は確立されていませんでしたが、宇野助教らはUniversal energy-transfer labeled primerを用いたin situ PCRを用いて、細胞内に1コピーしか存在しない標的DNAを含むリンパ球をフローサイトメトリーで検出する技術開発に成功しました。この技術は任意のゲノムDNA配列(プロウイルス、染色体の欠失や増幅や転座、特定のDNA配列の塩基変異)を含むリンパ球集団をフローサイトメトリーでハイスループットに分析する技術として応用が期待できます。例えば、レトロウイルス感染症や白血病・リンパ腫の診断および病態解析に応用できる可能性があります。この研究成果は、2020年6月16日に「Nucleic Acids Research」誌にオンラインで公開されました。

論文タイトル
Flow cytometry assay for the detection of single-copy DNA in human lymphocytes
著者
Naoki Uno, Norihito Kaku, Yoshitomo Morinaga, Hiroo Hasegawa, Katsunori Yanagihara
雑誌名
Nucleic Acids Research, gkaa515; 2020
https://doi.org/10.1093/nar/gkaa515