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長崎大学医歯薬学総合研究科口腔保健学分野と地域医療学分野のグループが歯周病と動脈硬化との関連についての研究成果を発表

【長崎大学医歯薬学総合研究科口腔保健学分野と地域医療学分野のグループが歯周病と動脈硬化との関連についての研究成果を発表】

長崎大学医歯薬学総合研究科口腔保健学分野の齋藤俊行教授と地域医療学分野の前田隆浩教授のグループは、五島市における調査結果から歯周病と動脈硬化に関連があることを示しました。

2008年から2010年に五島市で実施された健康診断に参加した40歳以上で10本以上歯を有する1053名の健診結果から、歯周ポケットの平均値と超音波検査による頸動脈肥厚(IMT)や全身の動脈の硬さを示す心臓足首血管指数(CAVI)の関連について分析しました。

年齢、性別、喫煙、肥満度、血圧、コレステロールなどの動脈硬化に影響する様々な因子を加味しても、歯周ポケットの平均値が1mm増加するとIMTが0.02mm厚くなり(P=0.049)、頸動脈肥厚のリスクが43%増加していました(P=0.017)。同様にポケットの平均値が1mm増加するとCAVIが0.13増加し(P=0.040)、CAVIの異常値(CAVI≥8.0)を示すリスクが32%増加していました(P=0.047)。
これらのことから、歯周病の重症度と平行して頸動脈の血管壁が肥厚し、さらに全身の動脈の硬さに影響することが明らかとなりました。

本研究の成果はヨーロッパの動脈硬化症の専門誌、「Atherosclerosis」(2013年7月)に掲載されました。
電子版は下記をご覧下さい。

http://dx.doi.org/10.1016/j.atherosclerosis.2013.04.002