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学長室

新長崎丸をフルに活用し、学生教育と調査研究に邁進します

2018年03月29日

水産学部附属練習船「長崎丸」は、1952年に初代が竣工して以来、4代目となる練習船です。3代目の長崎丸は、86年2月の竣工以来、実に32年間、東シナ海、日本海および有明海の3つの海域を中心に、学生の洋上教育、海洋研究の推進に活躍してきましたが、老朽化が進んだことから代船建造が計画され、このたび4代目長崎丸が誕生いたしました。

昨年、2月15日に三井造船株式会社玉野事業所において、片峰茂前学長のもと起工式が執り行われ、同年10月18日には、文部科学省専門教育課 辻直人課長補佐(当時)にご臨席いただき、無事進水式が執り行われました。そして、この3月26日に、新長崎丸が三井造船から本学に引き渡しされました。

新長崎丸は、「国際洋上キャンパス」の役割を担った最新鋭の漁業練習船であり、調査研究の効率化、高度化のため、低振動、静寂性に優れた電気推進機関を搭載しました。「揺れない洋上キャンパス」は特徴の一つです。また、3代目の長崎丸は、11年3月の東日本大震災の際に、救援物資や放射能測定装置を積み込み、いち早く被災地に直行し、支援活動に貢献しましたが、この新長崎丸は支援物資コンテナが積み込みやすく、ドクターカーも収容できる設計になっています。

長崎丸は、複数の国が主要漁場と考える東シナ海をフィールドに、最新の設備を生かした水産・海洋科学技術教育並びに調査研究の更なる進展と国内での大規模災害が起こった際の復興支援などへの活用が期待されています。また、女子学生の増加に対応した研究室・学生実習室など施設の充実がなされています。

「日本の海洋に関わる人材育成」は政府も強い関心を持っています。海洋開発はまだまだ発展の余地が大きい未開のフロンティアであり、魅力にあふれています。この魅力あふれる海洋開発には、水産科学、環境科学、工学などの広範にわたる知識が必要で、さまざまな分野から若い頭脳を結集することが、この未開のフロンティアを切り拓いていく原動力となると私は信じており、長崎大学が将来に向けた人材教育拠点となることを願っております。

長崎大学は、これまでの経験を活かし安全運航に努めると同時に、もう一隻の附属練習船である鶴洋丸と、この素晴らしい新長崎丸をフルに活用し、今後の学生教育と調査研究に邁進します。