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学長室

2019年 年頭のご挨拶

2019年01月07日

明けましておめでとう御座います。新しい元号が始まる年、皆様と共に新たな気持ちで長崎大学の発展のために尽力したいと思います。

長崎大学の理念を実現するたくましい意志、そのための豊かな想像力、失敗を恐れる臆病さを退ける勇気、ついこの位でいいかと思う易きに付く気持ちを振り捨てる冒険心を持って、これからの未来のために邁進しましょう。「高きより高きへ 〜AB ALTO AD ALTUM〜」。私達は理想を見失うときには、下降線を辿ってしまいます。理想はどんな小さなものでも自らを高める糧になるに違いありません。

そこで最初に私の正月の夢を語りたいと思います。まず、大規模な基金構築を進め、多額の寄附金獲得を実現します。そして全学部の入学試験トップ5%に4年間の給付型奨学金または授業料全額免除、これで2億を使い、優秀な学生を長崎大学に集め、下村先生に続くノーベルプライストが生まれることを夢見ます。また、さらに数十億を集めて、新1年生が全員はいれる長崎大学の寮を造りたいと思います。不安の多い新1年生を1年間は大学生としての勉学生活にスムースに入れる下地を作るのです。学生の積極性を育み、本学に多様な学生が集まるための布石になればと期待しています。さらに、増加する留学生に対して日本語教育を強化し、日本語学校を造り、卒業後も国内で活躍できることを夢見ています。寮生活で国際交流を深めることもできるでしょう。このような夢の実現に向かって邁進します。

ここで、正月の夢を少し離れて、私が学長に就任したときの目標を再度掲げ、その実現に向けて、その歩みを着実に進めたいと考えています。
まず、第一の「社会に貢献する志の高い学生を育む教育」です。どのような教育がこの目的を達成するために役立つか、誰にも正解は解りません。そのためにも、新しい試みに勇気を持って挑戦すべきです。アクティブラーニング、ポートフォーリオの活用による学習成果の可視化、ルーブリックの整備による成績評価の標準化と厳格化などの手法に挑戦することです。
また、情報データ科学部の2020年新設に伴い、全学部の情報教育の強化が始まります。意欲のある学生が学部のカリキュラムに係わらず、受講できるように、オンラインによる教育システムの強化を目指しています。
さらに、本学を目指す優秀な学生を採用するための、入学試験の新しい試みも必要です。面接に代わる筆記によるペーパーインタビューや高度な記述式問題作成への対応、高校生を対象にしたゼミナールへの参加姿勢から本学への適正を判断するゼミナール入試の導入、さらには留学生を増すための推薦入試やAO入試などの新しい試みなど、多様性と偏差値の改善を目指した挑戦です。海外からの留学生や本学の学生の海外留学を積極的に促す予算の作成を進めます。
第二は「ヒトの幸福と平和を希求し、科学を用いて世界に資する研究」の追求です。昨年末に卓越大学院に選ばれ、極めて大きな可能性を手にしました。これを全学的に広めて、本学の研究体制と水準を強化、向上に結び付けることが重要です。すべての大学院から意欲のある優秀な学生が参画できるものであり、さらに学位プログラムを作成し、研究科を越えた博士課程の設立に向かうことも重要と考えています。感染症だけでなく、本学の特長である放射線医療科学や国立大学では貴重な存在である水産学部などの活躍が極めて重要と考えています。多文化社会学部の博士課程設立に向けて文系研究科の進化、環境や海洋未来をキーワードとした理系研究科のさらなる強化、また地域へ貢献するすべての学部の発展が期待されています。
さらに、研究に特化した卓越教授ないし研究教授制度を新たに設定し、そのために研究費、人件費を投入し、本学の評価を上げたいと考えています。
第三の「長崎の未来を創る大学」ですが、地方創生に資する大学を中心とした街づくりは、容易ではありません。しかし、想像力を働かせ、本学が率先して、全国から優秀な学生を集める取り組みにより、その実現を可能にしたいと考えています。本学の環境を女性にも魅力あるものにすることも重要です。そして勉学の環境や学生の住環境の整備など進めることも必要と思います。
第四の「教職員の多様性とやる気を生かす大学」は、特に重要です。教員の所属を学域に再編し、従来の枠を超えて教育は学部、研究は研究科に出て行くシステムです。そして、研究や教育を主な任務とする教員の主体的な役割分担の導入を目指しています。職員に関しても、各自の得意とする分野でさらに磨きをかけてもらい、教職員ともに適切な業績評価とそれが反映した給与などのシステム造りが必要です。
第五の「強固な財政基盤の確立」は最も重要で、最も難しい所ですが、こここそが学長が先頭に立って、教職員全員の協力で勝ち取らなければなりません。
以上のような計画を実現するために、新年にあたり、私の考えを述べました。

本年が、皆さまと本学にとって、明るく望ましい年であることを祈念し年頭の御挨拶と致します。