大学案内Guidance
2026年01月05日
新年あけましておめでとうございます。
本年も長崎大学をどうぞよろしくお願いいたします。
2026年は、長崎大学にとって、そして日本の国立大学全体にとっても、大きな転換点となる年です。昨年11月に文部科学省より示された大学改革の方針は、制度や仕組みを変えること自体が目的ではなく、大学がこれからの社会において、どのような価値を生み、どのような役割を果たすのかを改めて問いかけるものでした。
同時に、私たちを取り巻く世界に目を向けると、ウクライナやガザをはじめ、国際社会は不安定な状況が続いています。分断や対立が深まる時代だからこそ、感情や立場の違いを越えて、歴史、科学、医療、環境、社会といった多様な視点を重ね合わせ、冷静に考え、発信する「知の拠点」の存在が、これまで以上に重要になっています。
長崎大学は、出島を通じて世界とつながってきた長崎の地に根ざし、西洋医学教育の発祥を創基とし、被爆という人類史上の深い経験を刻む医科大学を有する、世界的にも類を見ない大学です。感染症研究や公衆衛生の分野で長い歴史を持ち、離島、海洋、環境、少子高齢化といった、現代社会が直面する課題を日常の現場として抱えています。
私たちは、こうした課題を単なる困難として捉えるのではなく、人の健康、社会の持続性、地球環境を一体として捉える「プラネタリーヘルス」の視点から、世界の課題に向き合い、解決に貢献する知を生み出す出発点として位置付けてきました。被爆の経験を持つ大学として、命とは何か、平和とは何か、そして科学や知は人類のためにどう使われるべきかを問い続けることは、長崎大学の重要な使命です。
その取り組みを象徴するのが、現在推進している J-PEAKS (地域中核・特色ある研究大学強化促進事業)です。分野や組織の枠を越え、国内外や地域社会と連携しながら、グローバルヘルス、グローバルリスク、グローバルエコロジーを統合し、不確実性の高い時代においても持続可能な未来を構想する「総合知」を社会に示していきます。
2026年も長崎大学は、研究・教育・大学運営を一体として進化させ、知の拠点として社会とともに未来を考え、行動する大学であり続けたいと考えています。
本年が、長崎大学に関わるすべての皆さまにとって、実り多い一年となることを心より願っております。
| 長崎大学 学長 永安 武 |
