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学長室

長崎大学教育学部創立130周年記念式典 長崎大学長挨拶

2005年11月12日

明治維新後間もない1874(明治7)年に小学教則講習所として設置されたのを濫觴にして,以来激動の19世紀,20世紀において,わが国の教員養成教育をつねにリードし,数多の人材を輩出してきた長崎大学教育学部創立130周年を心からお祝い申し上げます。

教育学部創立130周年は貴学部のみならず,長崎大学にとりまして,もっとも記念すべき,もっとも慶賀すべきことがらであります。重ねてお祝い申し上げます。

江戸の昔から「笈を負うて長崎に遊学する」という言葉があります。17世紀以来の鎖国時代にわが国唯一の世界に開かれた窓であった長崎は学問を目指す若者の憧れの地であり,多くの俊秀が長崎に集まったからです。

そのような背景の中で,長崎には
1857(安政4)年,医学伝習所が設立されました。後の長崎医科大学へと繋がります。
1874(明治7)年,小学教則講習所が設立されました。後の長崎師範学校であり,現在の長崎大学教育学部であります。
1890(明治23)年,第五高等中学校医学部薬学科が設立されました。後の長崎医科大学附属薬学専門部へと繋がります。
1905(明治38)年,長崎高等商業学校が設立されました。
1921(大正10)年,実業補修学校教員養成所が設立されました。後の長崎青年師範学校であります。

長い歴史を刻んできた以上の5つの高等教育機関が包摂されて,1949(昭和24)年,学芸学部,経済学部,医学部,薬学部,水産学部の5学部を擁する長崎大学が設置されました。5つの清流が合して大河「長崎大学」となったのです。

その後,1966(昭和41)年に工学部,1979(昭和54)に歯学部,1997(平成9)年に環境科学部が新たに設置され,さらなる大河へと発達して,学生総数1万人,教職員2,500人を擁する日本を代表する総合大学へ発展してまいりました。

長崎大学が設置されて55年目の平成16年4月1日に「国立大学法人長崎大学」として新たなスタートを切りました。このとき本学は大学の理念として「学生顧客主義」を掲げました。

「学生顧客主義」とは「長崎大学は学生のために存在する」という意志表明にほかなりません。「学生のために存在する長崎大学」を社会の皆様のご理解とご支援の上に立って,教職員が学部横断的に連携し,学生諸君ならびに卒業生と協力しあって創り上げるのです。

このような大学でないかぎり,学生諸君は長崎大学で学んだことを誇りとしてくれるはずがないと私は確信します。

誇りを持つ人間は自己の利益を第一としない人間となります。このような人材を育てるのが長崎大学の使命です。

小学教則講習所創設以来こんにちまで130年,とくに第二次世界大戦後は学芸学部,教育学部として長崎大学の一翼を担って56年のあいだに集いし若人は総計2万6千有余人,国内外に雄飛して活躍されてこられたことは,本学のもっとも誇りとするところです。

さらにまた,教育学部ご卒業の皆様は「長崎大学玉園同窓会」のもとに結束され,これまで長崎大学に対するご支援はまことに篤いものがございます。このたびの創立130周年を期に同窓の皆様からは教育研究環境整備に多大のご支援をいただきました。長崎大学を代表して深甚なる感謝の意を表します。

長崎大学教育学部,ならびに同窓の皆様の今後ますますの発展を祈念申し上げまして学長挨拶といたします。

(2005.11.12 教育学部 )