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学長室

国際健康開発研究科開講式における学長挨拶

2008年04月08日

皆様こんにちは,私は学長の齋藤です。

皆さん,長崎大学へようこそ。皆さんの入学に対して長崎大学を代表して心からなる感謝と歓迎の意を表します。

本学を含めた国立大学は,平成16年4月1日から国立大学法人となりました。その時から長崎大学は新たな「挑戦」を開始いたしました。

本学の新たな「挑戦」のなかで,長崎大学の将来を決するもっとも戦略的な取り組みと考えているのが本国際健康開発研究科の設置でありました。3年の準備期間を経て,このたび設置の運びとなりました。

長崎大学創基151年にあたる今年,本研究科を設置できたことは,本学の21世紀の発展に向けて確固たる基盤を整備し たことにほかなりません。皆さんはその記念すべき第1期生となります。長崎大学151年の歴史が皆さんを長崎大学へ迎えることになったと私は確信します。 皆さんは長崎大学151年の歴史の申し子なのです。

さて,この大学院には3つの特徴があります。
まず,1点目は,過去20数年間にわたり熱帯医学分野・国際保健分野で,主に研究が中心であった長崎大学の実績に加え て,このたび新たに本研究科を通じて国際協力の現場,とくに保健医療分野で国際的に活躍できる人材の育成に取り組むことです。現代の地球規模の健康問題は ますます多様化し,複雑化し,さらには混迷化していることを痛感しています。そこで,開発途上国でのマラリア,結核,エイズ,新興感染症,母子の高い死亡 率などの諸問題の実践の現場と学術研究の場とを繋ぐ架け橋となる国際的専門職業人を育てることが急務であると考えるからです。

2つ目の特徴は,本研究科を修めた人たちに対して,わが国で初めて国際保健に特化した分野でのMaster of Public Health(MPH)を授与することです。国際保健分野で働く人にとってMPHという学位は高く評価されます。MPHの学位を持っているということは, 健康問題に取り組む国際的なチームの一員となりうる資格があるということを示しています。

そして,本研究科のカリキュラムはこのMPHに相応しい知識,能力を獲得するために質の高い,そしてきわめてユニーク なものとなっています。これが3つ目の特徴です。健康問題を保健医療の分野でのみ捉えるのではなく,貧困や開発の文脈でも捉え理解するために,社会的文化 的背景,国際経済なども加味した幅広い学問領域の知識を学際的かつ体系的に教授することを目指しています。

そのため,本大学院を基礎学部の上に設置するのではなく,いろいろな学部等から幅広く多様な分野の専門家が教育に参加 できる独立研究科としました。本学では初めての大学院です。また,本学の海外拠点や本学とのネットワークを持つ世界的に有名な開発関連の国際機関・ NGO・研究所などと連携し,これらの海外の機関において8カ月という長期にわたるインターンシップを実施するなど,さまざまのユニークな試みと新しい工 夫を行っていきます。

本日,入学の11名の皆さんは,この新しい大学院に第1期大学院生として入学しました。

学生,教職員,OBが協力して長崎大学を創るというのが長崎大学のモットーです。皆で力を合わせて,世界で最もすばらしい国際健康開発研究科を創造しようではありませんか。

長崎大学長   齋 藤   寛

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