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学長室

上海水産大学と長崎大学の研究協力協定調印式における学長挨拶

2007年05月18日


本日,上海水産大学と長崎大学の学術交流協定が締結されましたことを,大変うれしく思っております。最初に,本協定締結に向けてご尽力いただきました潘迎捷校長,程裕東副校長をはじめとする上海水産大学の皆様,および長崎大学関係者に厚くお礼申し上げます。

さて,長崎は古くから中国との結びつきの強い町でありました。17世紀から200年以上続いた鎖国時代も中国からの文化,学問,情報は長崎を唯一の窓口として日本に伝えられました。現在も長崎には中国にゆかりの深い方々が大勢住んでおられます。このように長崎は日本の都市の中でもっとも強く中国文化の影響を受けて成長してきた町であります。

上海水産大学は本年創立95周年を迎える中国における水産学・海洋学研究の中心的存在である名門大学であることをわれわれはよく知っています。近年の貴大学の発展はまことにめざましく,ただいまは臨港新城地区の広大な土地に新キャンパスを建設中と伺っております。まことにご同慶に耐えません。

もともと両大学は古くから深い友好関係にあります。とくに水産学・海洋学の分野での繋がりが強く,貴学と長崎大学は,韓国の済州大学,日本の琉球大学を加えた4大学間で定期的に「東シナ海の海洋・水産科学研究に関する国際ワークショップ」を開催するなど,近年とくにその結びつきを強めてきました。わが長崎大学は水産学・海洋学の日本の拠点を目指し,とりわけ東シナ海及びその周辺海域の環境と資源を保全・回復すべく,3年前に「環東シナ海海洋環境資源研究センター」を設立いたしました。韓国の諸大学と共に貴大学を含む中国の諸大学との国際共同研究がアジアン・スタンダードを創出し,東シナ海の将来を保全するために極めて重要になると確信しています。

このような友好的関係にありながら,これまで貴学と学術協定がなかったことが不思議なくらいです。このたび,長崎から最も近い中国の都市である上海を代表する貴学と長崎を代表する長崎大学が学術協定を結ぶことは21世紀の中国と日本の新しい関係を創出するものと信じます。

大学の教育研究における新しい時代の新しい関係とは何でしょうか? それは学生ならびに若い研究者相互の国を超えた積極的な交流です。両大学は学生ならびに若手研究者同士が行き来して,一緒に勉強し,一緒に研究できる体制を作らなければなりません。この学術協定はその第一歩です。

近い将来,上海水産大学キャンパスで長崎大学の学生・研究者が,また,長崎大学キャンパスで貴学の学生・研究者が交流し活躍する日の来ることを願っております。

最後に,本年11月には先ほど述べました4大学共催による「東シナ海の海洋・水産科学研究に関する国際ワークショップ(The 6th International Workshop on the Oceanography and Fisheries Science in the East China Sea)」を長崎大学が幹事大学となって開催いたします。そこで皆様との再会を楽しみにしていることを申し上げまして,長崎大学長挨拶といたします。 謝々。


長崎大学長   齋 藤   寛


(英語版)(中国語版)

 

研究協力協定調印式