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東日本大震災・支援活動

福島未来創造支援研究センター

「2022 原子力災害復興セミナー」を開催

2023年02月16日

長崎大学は福島イノベーション・コースト構想促進事業(「復興知」事業(注))の令和4年度採択事業である「災害・被ばく医療科学分野の人材育成による知の交流拠点構築事業」の一環として、1月25日に「原子力災害復興セミナー」をオンラインで東日本大震災・原子力災害伝承館にて開催しました。

日本政府は1月13日、東京電力福島第一原発で発生する汚染水を強化処理した後の水の海洋放出について「放出開始は今年春から夏ごろになる見通し」とする方針を固め、その動向に非常に関心が集まっています。本セミナーは、原発立地、および周辺自治体の教員や職員、原子力産業の企業人が福島の経験を踏まえた原子力災害への備えや廃炉、処理水について学ぶことを目的として、一般社団法人日本原子力産業協会のご協力のもと行ったもので、現地で参加した長崎大学医学部医学科の学生8名も含め、51名あまりが参加しました。 

セミナーではまず本学の高村昇教授が、「放射線被ばくと健康影響」と題し、長崎・広島原爆、チェルノブイリ原発事故、そして福島第一原発事故を例にとって放射線被ばくの線量の違いや健康影響についての講演を行ったのに続いて、経済産業省の木野正登参事官より「東京電力福島第一原子力発電所の廃炉と処理水」と題して講演を行いました。

セミナー終了後、参加者からは「現地でどのような説明、取り組みがなされているのかが理解できた。福島県外へのリスコミが重要だと感じた」、「クライシスコミュニケーションの重要性を改めて実感できた」、「東日本大震災から11年を経て、我々から次の世代(今回参加の長崎大学などの学生世代)に、廃炉(や処理水の海洋放出、原発再稼働)の問題を、受け渡すことを考える時期にきている。一緒に受講できたことはよかった」、「科学知見に基づく合理的な合意形成のためには、現状の課題と現状の知見、それらを踏まえた今後の取り組みと展望を国民全体に広め、理解を促す地道な取り組みが重要な前提の一つだと、最認識した」といった感想が聞かれました。

本学は次年度も、原発立地自治体の教員、病院職員など、様々な方を対象としたセミナーを行う予定で、福島県下だけでなく、国内外の大学や機関等と連携し、福島県浜通り地域における人材育成に向けた取り組みを行っていきます。

 2022 原子力災害復興学セミナー報告書   

 

(注):「復興知」事業について

福島イノベーション・コースト構想HP(外部リンク)

  https://www.fipo.or.jp/activities-education