HOME > NEWS > 詳細

News

ここから本文です。

教育学部長に就任して 教育学部長 山路裕昭

教育学部長に就任して

教育学部長 山路 裕昭

教育学部長
山路 裕昭

教育学部は,戦後,学芸学部として発足しました。その後,学科目や附属学校の整備,センターの新設などとともに教育学部と改称し,さらに平成6年には大学院教育学研究科を新設,平成20年には教育学研究科を改組して教職実践専攻(教職大学院)も発足させ,今日に至っています。そしてこの間,地域の教育委員会などのさまざまな教育機関と連携し,学生たちの教育や研究を発展させるとともに,長崎県内を中心に,小学校,中学校,幼稚園,特別支援学校などに多くの優れた教員を送り出し,彼らは児童,生徒の教育に貢献してきました。
このように,教育学部は,教育という分野を中心として長崎という地域と深くかかわって発展してきた学部です。これからの教育学部は,これまでもそうであったように,その伝統を大切にしながら,教育界の一層の発展に務めなければなりません。
しかし,これまで多くの実績を上げてきた教育学部ではありますが,同時にさまざまな課題もあります。
まず第一に挙げなければならない課題は,教員養成の一層の充実です。これまでカリキュラムの改善などを通じて学部教育を改善してきました。さまざまな実習をカリキュラムに加え,学生が専門的知識や能力のみでなく,実践的な技能をも獲得,発達させるように工夫もしてきました。しかし,これで十分という訳ではありません。これまでの成果を基礎に,さらに教育内容,方法の改善に不断に取り組み,その改善が確かな成果を上げていくようにしていくことが必要です。特に3年目に入る教職実践専攻については,その真価が問われる時期となります。教育組織やカリキュラムの一層の充実が求められます。
さらに緊急の課題として,教員就職率の改善にこれまで以上に取り組むことが必要です。少子化に改善の兆しは見えませんし,教員需要の大幅な拡大もあまり期待できません。教員を志望する学生たちの熱意に応えるために,これまでもさまざまな就職対策が講じられてきましたが,教職へ正規採用される人数を増やすために,一層の工夫と取り組みが求められています。
他方,研究分野では,これまでも努力が続けられてきましたが,附属学校園と教育学部との協同体制をさらに実質化していくことがきわめて重要な課題です。附属学校園と教育学部の双方にとって価値がある研究を通じて教育界に貢献することは,附属学校園並びに教育学部の大切な役割であり,また附属学校園と教育学部の双方の発展にとって不可欠のものです。この点に関して,これまで不十分であった研究成果の積極的な発信が求められます。
勿論,このほかにも解決すべきさまざまな課題が残されています。しかし,教育学部の理念である「人間形成に関わる専門的学術の研究を通して高度な学識と豊かな人間性及び実践的な指導力を備えた専門的教育者を育成すること」の実現に向かって,構成員がそれぞれ協力し,努力することができれば,それら多くの課題を克服することが可能であると思います。
今後とも皆様のご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。