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水産学部長に就任して 水産学部長 橘勝康

水産学部長に就任して

水産学部長 橘 勝康 水産学部長
橘 勝康

長崎大学水産学部は,全国の国立大学でも4大学にしかない特徴ある学部として,東海・黄海,南に太平洋を望むリアス式海岸および日本一の干潟として特異な生物相を有する有明海に面した特徴的な地理的環境の中で,これらの海から得られる豊かな食糧資源を対象として,我が国の水産科学発展に寄与してきました。
現在の水産学部を取り巻く環境は,一昨年来の不況のあおりを受け,養殖魚をはじめとする水産物の価格低迷やクロマグロの漁獲規制といった,我が国だけでは解決できない諸問題を抱え,これまでに経験をしたことのない厳しい状況下にあります。
このような状況の中,カリキュラム面ではJABEE(日本技術者教育認定機構)の認定を受け,卒業生全員が認定プログラム修了により,「技術士」になるための第一次試験が免除されることとなっております。また,平成19年より,文部科学省科学技術振興調整費による地域再生人材創出拠点の形成事業「海洋サイバネティクスと長崎県の水産再生」(通称:海洋サイバネティクスプログラム)によって,長崎県を中心とした社会人教育を開始しています。
施設面では,建物改修が終了し教育環境はずいぶん整備されました。しかし,2隻ある練習船のうち,大型練習船である長崎丸は建造から約25年が経過し,今後の教育研究をよりよく実施するためには代船建造が望まれるところです。この代船建造に向けては,昨年来の事業仕分けにみられる厳しい我が国の財政状況では,練習船の独創的教育プログラム,研究への有効利用方法等の画期的な提案が必要であることなど,多くの課題があると感じております。
現在,長崎大学では水産学部が基礎学部として参加しております生産科学研究科の改組が,多分野融合型のメリットを最大限に利用できるよう,さらに将来に向けた研究教育を行い易いよう,検討されていると伺っております。
代船建造に当たっては,水産学部と非常に関係の深い大学院生産科学研究科にも重要な役割を担っていただきたいと考えており,水産学部のみならず学内の皆様の多大なご協力が不可欠と考えておりますので,なにとぞよろしくお願いいたします。