私達キャンパスビジット実行委員は，平成29年6月25日（日）に大学病院シミュレーションセンターにおいて，平成２９年度夏期 医学部医学科キャンパスビジットを開催しました。長崎県内の高校からはもちろんのこと，東京，大阪，沖縄の高校からも長崎大学医学部医学科に興味のある高校生37人が参加してくださいました。
   このキャンパスビジットは，本学医学科への進学を考えていたり，本医学科に興味を持っていたりする高校生等を対象にしたものです。毎年夏に行われるオープンキャンパスとは一味違って，学生有志による実行委員が主体となり，本学医学科の魅力の紹介や私達のキャンパスライフの紹介を行うと共に，実習やグループディスカッションを体験してもらうことで参加者の受験勉強に対するモチベーションを上げてもらうことを目的として開催しています。キャンパスビジットの内容としては，体験実習，先生によるミニ講義等を行いました。以下にこの内容の詳細をレポートしていきます。
   まず，参加者には気管支内視鏡，腹部超音波検査，感染個人防護具の着用体験，成人BLS（一次救命処置）の4つのブースの体験実習を行ってもらいました。気管支内視鏡ブースではシミュレーターを使って気管支腫瘍の観察や生検を行い，腹部超音波検査ブースでは実行委員が人体の内臓構造を説明し，モデルの内臓を超音波で観察した後，実際に実行委員の腹部を超音波で観察してもらいました。感染個人防護具の着用体験ブースでは，実際に感染個人防護具を着用したり，感染病棟の見学などを行いました。成人BLSブースでは，CPR（心肺蘇生法）の手技とAED（自動体外式除細動器）の使用方法を講義形式で説明した後に，それぞれを実践してもらいました。

感染病棟見学

   続いて，感染制御教育センターの河野圭先生に「医学部ZERO年生必修講義〜医学概論〜」というテーマでミニ講義と医学に関するクイズに対するグループ討論を行いました。現在の医学教育の現状について，これまでの医学教育の沿革を交えながらお話があり，参加者は医師とはどういう職業なのかといったことを深く考えている様子で話を聴いていました。その後は“風邪に抗菌薬は必要か必要ではないか？”といった日常生活でよく出くわす医療に関する疑問についてクイズ形式でグループ討論を行い，医学に関する正しい知識を学ぶと共に，医師を志す人同士で問題に対して熱い議論を交わしました。
   最後に，感染制御教育センターの泉川公一教授に「医師になるということ　その覚悟」というテーマで講演をしていただきました。泉川教授が日頃行っている研究や，感染症に対する長崎大学の取り組み，昨年の熊本大震災における活動等についてのお話があり，参加者達は熱心に聴いていました。エボラ出血熱や熊本大震災など，メディアでもよく取り上げられていることに対しての内容だったのでとても興味深かった，と参加者は感想を述べていました。

   以上の内容に加えて，最後に全員でイベントの思い出として集合写真を撮影しました。イベント前や終了後には参加者と学生が受験勉強やキャンパスライフ，本学医学科で学ぶことができること等について話している姿が多くみられ，学生も普段話す機会がない高校生と交流ができ，元気をもらいました。
   キャンパスビジットを終えて，参加者に回答してもらったアンケートを見ると「想像していた以上に内容が充実していて楽しかった」「長崎大学医学部医学科に興味がわいた」「河野先生と泉川先生の話を聴けて良かった」「医学部での勉強や生活のイメージがついた」等の嬉しい感想をたくさんいただきました。また，同伴していた保護者の方々との話の中でも「学生が主体になって高校生を楽しませようとしているのがとてもよく伝わってありがたい」「他の大学との雰囲気の違いなどを生で感じることができた」といったありがたいお言葉をいただきました。実行委員として，参加者やその保護者がキャンパスビジットに参加したことで本学医学科に対する魅力を感じたり，受験勉強に対するモチベーションを上げることができたりできたのならばイベントを企画・開催した甲斐があったし，イベント自体も成功させることができたのではないかと思います。
   今回のイベントで改善点もいくつか見つかったので，これらの改善点を生かして，秋（10月頃）には第5回医学部医学科キャンパスビジットを開催したいと思います。乞うご期待ください。
   最後に，第4回医学部医学科キャンパスビジットを開催できたのは泉川教授をはじめとして，河野先生，関係事務職員の方の協力のおかげです。この場を借りてお礼を言いたいと思います。ありがとうございました。

キャンパスビジット実行委員