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第19回長崎平和大学を開催しました

  長崎留学生支援センターでは、毎年公益財団法人中島記念国際交流財団助成を受けて、長崎平和大学を開催しています。この事業は平和学習の一環として、平成21年度から年2回実施し、今回は第19回となりました。毎年多くの留学生と日本人学生に参加していただいています。今回は、長崎県内の大学より25カ国・地域の学生252名の参加がありました。
  留学生の皆さんはすでに日本に留学生する前に長崎と広島へ原爆が投下されたことについては知っていましたが、実際に被爆講話を聴き、被爆遺構を見学するのは初めてでした。
  午前中、学生達は中部講堂で長崎原爆についてのDVDを見て、その後爆心地から約600メートル地点で被爆した深堀譲治さんの講話を聴きました。深堀さんは地図と写真を見せながら、当時の様子を語りました。核兵器への怒りや母や兄妹を亡くした悲しみや苦しみ伝わる講話に、参加者は聞き入っていました。講話の最後には「核兵器や戦争は絶対ダメ。」「あなたたちが今日感じたこと、体験したことを母国に帰ったら伝えてほしい。」という深堀さんの平和に対する強い願いが伝えられました。すでに核兵器の被害について知識として知っていた学生からは実際の被爆者である方の生の声を聴くことにより、想像以上の悲惨さと放射能の影響力の大きさに驚いたという声がありました。核兵器についてはそれぞれの学生のバックグラウンドによって、捉え方が異なるもののすべての学生が改めて平和の尊さについて実感していました。
  昼食の時間には水辺の森公園へ移動し、青空の下で芝生や海辺にそれぞれグループで分かれ、楽しいひとときを過ごし、学生達は交流を深めていました。
  その後、被爆遺構巡り(平和公園・原爆落下中心地公園)と、原爆資料館を見学しました。被爆遺構巡りでは、各言語に分かれ平和案内人(ボランティアガイド)の話を真剣に聞き入り、原爆投下時の様子や投下後の平和を願う取り組みについて学んでおりました。それぞれの言語でのガイドであったため、質問等がしやすく、より理解しやすいようでした。
  また、長崎歴史博物館では、江戸時代の長崎奉行所立山役所で実際に行われた裁判の寸劇を観覧しました。当時の衣装を身に付けた御奉行様の登場に、多くの参加者が興味津々の様子でした。御奉行様の登場場面では、演者からの要請で日本語がまだ不十分ながらも劇の中で合いの手を入れるなどして、劇に参加しました。寸劇の後には、御奉行様と記念撮影をするなどして、楽しく、長崎の歴史について学びました。
  短い一日でしたが、参加者である学生にとって有意義な時間になりました。
深堀さん講話時の様子 平和公園で説明を受ける様子
深堀さん講話時の様子 平和公園で説明を受ける様子
水辺の森での昼食時の様子 長崎歴史博物館での寸劇の様子
水辺の森での昼食時の様子 長崎歴史博物館での寸劇の様子