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医歯薬学総合研究科生命薬科学専攻博士前期課程2年の坪上彩香さんと1年の長坂東奈さん(薬品分析化学分野)が、新アミノ酸分析研究会第10回学術講演会において優秀発表賞を受賞

医歯薬学総合研究科生命薬科学専攻博士前期課程2年の坪上彩香さんと1年の長坂東奈さん(薬品分析化学分野)が、新アミノ酸分析研究会第10回学術講演会(2020年11月30日、オンライン開催)において優秀発表賞を受賞しました。同賞は本講演会において優秀な口頭発表を行った発表者に対して授与されるものです。

坪上さんの受賞対象となった「チロシン選択的な紫外線照射 化学発光分析法の開発とチロシン関連酵素活性測定への応用」は、数多くのアミノ酸の中からチロシンというアミノ酸のみを選択的に検出可能な分析法の開発とチロシンの変換に関わる酵素の活性測定への応用に関する研究です。チロシン変換酵素は様々な生理現象や疾患の発症に関与していることから、その阻害剤は医薬品や化粧品としての利用が期待されています。本研究で開発した方法は天然資源からのチロシン変換酵素阻害剤の効率的探索に有用です。

長坂さんの受賞対象となった「HPLC 分析を目的としたαーアミノ酸に選択的な新規誘導体化反応の開発」は、タンパク質の基本的な構成成分である α-アミノ酸のみを選択的に蛍光性・質量分析用化誘導体へと変換する反応に基づく分析法に関する研究です。これまでのアミノ酸の誘導体化反応ではアミノ酸以外の生体成分とも反応して、これらによる測定妨害が問題となっていました。本研究で開発した誘導体化反応は、同一の炭素にアミノ基とカルボキシル基をあわせ持つ α-アミノ酸のみと反応して誘導体を与えるという、これまでに知られていない特徴を有する反応です。本研究で開発した分析法は、複雑な試料中からの α-アミノ酸の選択的測定が可能であり、疾患の早期診断や食品の品質評価等への応用が期待されます。

坪上彩香さんと長坂東奈さん