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福島未来創造支援研究センター長メッセージ

 広島、長崎の原爆被災から70年が経過し、2016年はチェルノブイリ原発事故から30年、そして本年3月11日には、地震、津波そして福島原発事故から5年を迎えます。東日本大震災に伴う混乱と混迷、そして幾多の矛盾や不条理、さらに悲しみと苦しみを乗り越えて、まさに人生の転換期を余儀なくされている多くの人々と共に、長崎大学の教職員も思いを一つにして復興支援にあたってきました。これまでに、福島県における県民健康調査事業への協力と、川内村復興支援拠点を中心とした人材派遣と放射線健康リスクコミュニュケーション、さらに種々の共同事業が着実に展開されています。福島県立医科大学との共同大学院「災害・被ばく医療科学」専攻の修士課程も始まります。
 震災から5年間、本学が福島復興に寄り添った歩みとして特筆すべき ことは、原発事故に遭遇した恐怖と不安、不信の渦巻く非常事態に、片峰茂学長のリーダーシップで、いち早く福島支援を決断し、事故直後から緊急被ばく医療チームや放射線災害医療の専門家を派遣したのみならず、「現場に強い、危機に強い、そして行動する長崎大学」のモットーを自発的に実践し、福島の皆さんとともに幾多の困難を乗り越えてきたことです。福島の厳しい状況を、他人事ではなく、自分事として捉え、真摯に対応し、大学病院関係者以外にも教職員を多く派遣し、また現地との共同事業を地道に継続してきました。
 大切なことは、現場の課題に関して、集団リスクに基づく公平公正な対応を心がけるだけではなく、一人ひとりの実情に沿った個人リスクへの適切な対応を推進することです。すでに、現場の混乱と混迷から脱却し、諸課題を冷静に受け止め、非常事態から平時への大切な移行期に入っています。しかし、今なお風評問題が大きく、逆に風化の兆候も現れています。その意味でも放射線のリスクのみならず、生活者の視点から福島復興と再生への生きた活動を大学として提供する必要があります。すなわち、この5年間の活動実績を基に、全村・全町避難を余儀なくされた避難指示区域の帰還帰村という大きな住民問題に加えて、高齢化対策、地域過疎化対策、環境汚染対策など、日本の将来の縮図への対応が求められます。
 さらに原発そのものの廃炉作業や除染物質の中間貯蔵地域への搬入や処理問題なども大きな課題です。本学が蓄積して来た放射線医療や医科学の知識や技術のみならず、多種多様な分野での学際的そして複合的な協力を国際機関とも連携しつつ展開したいと考えています。
 最後に、今後6年間の長崎大学第3期中期目標・中期計画の中でも、明確に福島復興支援を掲げ、その中心となるのが2年前に立ち上げた福島未来創造支援研究センターです。被災地における幾多の困難と課題、その克服に向けた努力はこれからも続きますが、夢と希望を胸に、地域の持続的発展に貢献できるよう引き続き尽力する覚悟です。

福島未来創造支援研究センター長
山下 俊一

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