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学長室

国立大学法人長崎大学の管理・運営に関する基本的考え

2004年01月05日

【総論】
国立大学法人化後の大学の管理・運営に関する考え方を構築する上での最大の留意事項は、それぞれの部局(学部)が文部科学省の省令からはずれ、評価や予算(運営費交付金)配分の対象が大学法人に一元化されることである。

上記により大学法人の自主的・自律的な運営を確保しつつ、特色ある大学づくりをより一層推進することが可能となる。一方で、「評価」、「競争」の原則に基づいて、社会による厳しい選別に晒されることになる。

国立大学法人長崎大学が安定した経営基盤を確立・維持し、21世紀の競争的環境を勝ち抜くためには、学長をトップとする大学運営中枢(役員会)に権限と責任を付与する事が必要である。

このため、まず大学の全構成員が、従来の学部(教授会)自治、ならびに最高審議機関としての評議会による大学運営とは本質的に異なる運営形態に移行することを認識する必要がある。

さらに、学長のリーダーシップの成否は学長が多数の大学構成員に支持されていることが絶対必要条件であり、それには学長や理事の説明責任を明確にすることや情報公開の徹底とともに、全学のコンセンサス形成を保障するに足る制度を構築できるか否かが極めて重要である。

【運営組織】
(1) 国立大学法人意思決定機関としての役員会
学長と、学長の指名による理事で構成される役員会が最高意思決定機関として大きな権限と責任を有する。したがって、理事には卓越した企画立案能力と実行力を有する人材を学内外に広く求めて登用する。

(2)意思決定プロセス
学長のリーダーシップの下で企画・立案された事項を各部局、全学委員会での検討を経て、その結果を役員会に諮り、経営協議会や教育研究評議会の審議を踏まえ、役員会の議を経て学長が決定する。

通常業務に関する事項については、理事及び全学委員会が企画・立案機能を担う。

(3)全学委員会

法人化後に設置される全学委員会は、その委員が1)従来の如く、部局ごとに選出されるものと、2)見識、実績から判断して、当該委員会の内容ならびに任務に最も適していると思われる委員を部局横断的に選出したものとに大別される。教務委員会や入試委員会などは上記1)に相当する。また、財務委員会、人事委員会など極めて重要な委員会が新しく設置されることにより、大学運営の情報公開と説明責任が確保される。ただし、これまでと異なり部局長を役職指定委員とはしない。

新規に設置予定の情報政策委員会(仮称)や広報企画委員会(仮称)などは2)に相当する。これにより、本学における意思決定過程に新しいボトムアップ機能を付与することができる。

なお、繰り返しになるが、委員会からの提案施策はすべて意思決定プロセス(2)に従って行われることはいうまでもない。また、とくに重要な事項に関しては、効率を優先することなく、各部局での充分な議論をふまえた委員会運営が行われるようにすることは当然である。

(4) 事務組織
事務局事務組織は、現行の組織を見直し、教員とのパートナーシップを高めるとともに、専門職能集団として各理事の下で企画立案に参画する。

(5) 部局等
部局は教職員人事、予算執行及び施設管理等を含めて部局運営を学長から付託される。ただし、部局の裁量権や自主性は全学の合意を得た大学の基本方針(例えば中期目標・計画で認められた項目など)の範囲内で担保される。部局意思の全学への周知は教育研究評議会、(新)全学委員会、部局長会議(法人化後の名称は今後検討する)などにより保障される。

(6) 全学のコンセンサス機能
全学のコンセンサスを得るためには様々な立場にある構成員の意見を聴くことからはじまる.経営協議会、教育研究評議会、全学委員会などに加えて、今後は個々の構成員よりの意見聴取あるいは部局横断的な意見集約の制度構築も考慮する。

【定員、予算及び施設管理】
(1) 定員管理
本学教職員の定員については従来のように部局に固定したものとせず、全学の定数として考えることとする。これにより全学的な視野からの弾力的かつ柔軟な人材配分が可能となり、組織活性化はもちろん新組織の創設なども期待できる。

部局定員は設置基準など統一した基準の下で1年毎に再配分する。再配分に当たっては、部局の教育研究に支障を来さないことに最大限留意する。

なお、平成16年度及び17年度の教職員定員削減(教職員25名)は学長が一括して管理し、柔軟かつ効果的な配分を行う。

(2) 予算管理
部局運営費等の配分は教員定員を基礎にした配分方式を採らず、部局運営に必要な経費を再検討し、全学的視野からの弾力的かつ柔軟な重点配分方式を実現する。

(3) 施設管理
施設等については、これまでの部局占有から共有へと考えを変え、学長の下に一元的に管理し、有効活用を図る。このため、学長は教育研究共用スペース(概ね20%)を確保する。

校舎などの基準面積はこれまで各学部ごとに設定されていたが、今後は大学全体のものとしてとらえ、運用管理は大学に任せられることとなる。

(4) 予算配分の検討
平成16年度予算配分に関しては従来の配分実績・経緯を最大限に配慮する。17年度以降は学長と部局との合意形成を前提にして、配分方法の見直しを行う。

【会議の公開】
経営協議会、教育研究評議会、全学委員会など学内会議は原則公開の方針で今後検討したい。