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学長室

平成15年度長崎大学医療技術短期大学部卒業証書・修了証書授与式告辞

2004年03月19日

本日、ここに平成15年度長崎大学医療技術短期大学部の卒業証書・修了証書授与式を挙行するにあたり、めでたく卒業される看護学科78名、理学療法学科19名、作業療法学科24名、ならびに助産学特別専攻を修了される20名の皆さんに心よりお祝いを申し上げます。

短期大学部の皆さんはこの3年間、専攻科の皆さんは1年間の勉学と実習に励まれて、医療技術の知識と実践経験を身につけられました。皆さんの努力に対して心よりの敬意を表します。

皆さんの勉学を支えてくださったご家族の皆様のお慶びもさぞかしと拝察いたし、心からのお祝いを申しあげます。

ご承知のように、わが国は超高齢社会を迎えようとしていて、国民の健康を守るために医療保健福祉の専門職業人が連携した総合的なチームケアの推進が求められています。

わが国では医療保健福祉の分野で働く人は就業者の5%を占めるにすぎませんが、欧米諸国では10〜15%を占めています。わが国も、欧米先進諸国のようにならなければ超高齢社会となるわが国の国民の皆様の健康と生活の質の向上を図ることは望めません。

このような時代背景にあって、高度の専門職業人としてニーズの高い皆さんの将来はまさに前途洋々と申せましょう。

しかしながら、国民の皆様から真に信頼される専門職業人として働くためには、たんに専門的な知識・技術を有するだけでなく、豊かな人間性と明確な人権意識を持ち、加えて周辺の人々と十分な意志の疎通ができる人材であることが強く求められます。

私は皆さんがこの資質を持っておられることに確信があります。その理由は、日頃の皆さんの勉学態度、皆さんの多くが参加されている社会奉仕活動などから、医療技術短期大学部に学ぶ皆さんが、長崎大学に学ぶ学生の中で、自己の将来についてもっとも深く考え、大学で何を学ぶかについて、もっとも強いモチベーションを持っておられることを知っているからです。そして、皆さんのこの姿勢にいつも深い感銘を受けてきました。

申すまでもなく、今回の卒業式はいまから101年前の明治36年に設置された長崎県立長崎病院附属看護婦養成所を濫觴として、昭和59年以来20年の歴史を刻み、社会に優れた人材を送り出してきた医療技術短期大学部の最後の卒業式です。皆さんも、また先輩の方々の感慨も一入でありましょう。

しかし、私は、皆さんが先輩から受け継いできた世界にほこる学風が、医療技術短期大学部の発展的継承者である長崎大学医学部保健学科に脈々と受け継がれていることを心から喜んでいます。すなわち、長崎病院附属看護婦養成所ならびに医療技術短期大学部は不滅であります。そこで学んだ皆様はこの世を照らす光であり、祝福されるべき存在なのです。皆さんは疑いもなく、将来、「一隅を照らす人」となり、社会から深い敬愛を受けることでありましょう。

皆さんのような卒業生を送り出すことは長崎大学の誇りです。

どうか、皆さん、健康に気をつけて、面をあげ、ひたと前方を見つめて歩んでください。

卒業、修了本当におめでとうございます。かさねてお祝い申し上げ、学長告辞といたします。