HOME > 大学案内 > 学長室 > メッセージ > ケニア中央医学研究所と 長崎大学熱帯医学研究所との間の 覚書調印式での学長挨拶

大学案内Guidance

学長室

ケニア中央医学研究所と 長崎大学熱帯医学研究所との間の 覚書調印式での学長挨拶

2005年09月13日

宮村 智 在ケニア日本大使,ケニア文部省事務次官Karega教授,Ogongoケニア保健省事務次官,ケニア中央医学研究所長Koech博士,ご来賓の皆様,本日はこの席にお招きいただき大変ありがとうございます。また,調印式の実現にご尽力くださった皆様に心から感謝申し上げます。

昨年11月,長崎大学とケニア中央医学研究所(KEMRI)は,これまでもJICA-KEMRIプロジェクトやその他の研究プロジェクトの下で行ってきたように学問・教育分野に著しい協力を促進すべく学術交流協定を結びました。

平成17年,文部科学省(MEXT)から長崎大学熱帯医学研究所に対してアフリカでの長期,集中的,且つ,広範囲に及ぶ海外研究活動を推進するための特別予算が提供されました。

この予算は5年以上に亘って支給されると予想されたため,長崎大学とKEMRIは熱帯医学の新規プロジェクト立ち上げに合意しました。

そして,今年の1月から同プロジェクトの具体的内容を実施し易くするよう両研究機関の代表が一丸となって覚書の完成に取り組みました。

本日,協定の証として覚書に署名できたことを大変嬉しく思います。

長崎大学は,昭和39年にアフリカで熱帯医学の研究を始めました。

それ以来,たくさんの日本人研究者や医師が主にケニアにおける生物医学研究やJICAプロジェクトに携わってきました。

その先駆者となったのが寄生物学者の故片峰 大助教授,病理学者の故渡辺 豊輔教授,ウィルス学者の林 薫教授,そして内科学の原 耕平教授です。

彼らは,日本における熱帯医学の研究活動を助成するためケニアに研究基盤を築くことの必要性を強く提唱し,旧文部省からの海外研究基盤に対する特別予算の取り付けに専心しました。

しかし,海外活動に要する巨額な経費は一国立大学に配分される予算では到底補えるはずもなく,彼らの夢は水泡と化しました。

ところが,平成16年,国立大学に革新的変化がもたらされたのです。

すべての国立大学が独立採算制を採用するよう求められ,自治権を与えられました。

国立大学の運営に及ぼしたこの大きな変化は,アフリカでの研究活動を援助するための特別予算を文部科学省に新たに要望するチャンスとなりました。

平成17年,ついに我々の夢は実現しました。

ケニアでの研究や技術協力に携わった多くの日本人とケニア人が,本日,研究中心のこの新しいKEMRI−長崎大学プロジェクトが始動したことを知り歓喜しているに違いありません。

私は,感染症予防における我々の協力が人類の福祉と健康に大きく貢献するものと確信しています。


(H17.9.13,ケニア・ナイロビ)


英文版(原文)はこちら