HOME > 大学案内 > 学長室 > メッセージ > 医学部・歯学部附属病院新病棟開院記念式典における学長挨拶

大学案内Guidance

学長室

医学部・歯学部附属病院新病棟開院記念式典における学長挨拶

2008年05月17日

長崎大学長の齋藤寛でございます。
長崎大学医学部・歯学部附属病院の病棟新築は長年にわたる本学の悲願でございましたが,本日ここにめでたく開院記念式典挙行のはこびとなりました。長崎大学にとりまして,これに過ぎる喜びはございません。

本学にとりまして,附属病院は生命医療科学のなくてはならない教育研究機関でありますが,同時に長崎県下における保健医療福祉の中核として,地域の皆様,医療機関ならびに行政からの強い要請と期待にお応えすべく,懸命の努力を重ねて参りました。

しかし,近年その本来の役割を十分に果たしてきたとは必ずしも申せませんでした。
その理由は,これまでの病棟は昭和51年3月に建設されましたが,老朽化が激しく,病院の構造そのものが,近年の目覚ましい医療技術の発展・変革に,また附属病院を受診して下さる市民の皆様のご要望にお応えできない状況になっていたからです。

私たちは社会の皆様のお役に立つためにも,新病棟建設を熱望して参りました。そして,歴代の病院長,医学部長,歯学部長が中心となり,関係教職員が一致協力して,病院経営の改善に努め,新病棟建設を実現させるべく努力を重ねてまいりました。

文部科学省におかれましても,われわれの努力を認めて下さり,国立大学法人化に伴う財政縮減の荒波の中にあって,格別の支援の手をさしのべて下さり,本日の新病棟開院記念式典を迎えることができました。こんな嬉しいことはありません。

また,市民の皆様,医療関係者,地域行政各位のこれまでご支援を賜りましたすべての皆様に対しまして,長崎大学を代表し心よりお礼申し上げます。

この新病棟竣工の後,3年かけて現在の12階建ての病院本館を6階まで外来病棟に,7階以上を臨床系研究室に全面改築することになっております。文部科学省におかれましては,今後一層のご支援をお願い申し上げます。

さて,日本で一番古い歴史を持つわが長崎大学の151年を3つの時代に分けることができます。

第1の時代は,申し上げるまでもなく,長崎大学の濫觴である「医学伝習所」が長崎の地に設立された1857年11月12日にはじまる「創生と発展の時代」です。

第2の時代は長崎が原爆の惨禍を被り,長崎医科大学をはじめとする長崎大学前身諸学校で1,000人もの教職員学生が犠牲となった1945年8月9日以来の「再生と復興の時代」です。

第3の時代のスタートが長崎大学創基151年となる本年2008年の本日,5月17日であります。

その理由は,
1)本学の多年にわたる最大の懸案事項であった築35年以上の文教キャンパス老朽化校舎(実に長崎大学の全体の68%に及ぶ)の改築改修が去る3月をもってほぼ完了したこと,
2)同じく老朽化の著しかった附属病院の新病棟建設(818病床)が本日ここにめでたく竣工したこと,
3)「放射線健康リスク制御国際戦略拠点」が文部科学省のグローバルCOEに採択されたこと,
4)イギリスのTHES(The Higher Education Supplement)誌,QS(Quacqarelli Symonds)社が共同で行った世界トップ大学500ランキング2007において,本学は世界ランキング273位,国内大学14位の評価であったことで す。ちなみに同ランキング2005では世界278位,国内18位でした。先行の13大学は東京大以下11国立大学,早慶の私立2校であり,すべて大都市に 位置する大学です。長崎大学はわが国地方大学としては第1位であること,
5)去る3月に公表された大学機関別認証評価において長崎大学は満足できる評価を得たこと
によります。

これから始まる長崎大学の新たな発展の時代において,附属病院は世界トップレベルの生命医療科学教育研究拠点となるば かりでなく,名実ともに長崎の地の中核医療機関として21世紀に求められている医療人育成と質の高い医療の提供という使命を果たし,地域医療の発展に大き く貢献することを約束申し上げます。

最後になりましたが,本学の意向を深くご理解下さり,格別の熱意を込めて新病棟建設に当たって下さいました工事関係の皆様に深く感謝申し上げまして学長挨拶といたします。

 

医学部・歯学部附属病院新病棟開院記念式典テープカット