学長室

創立６０周年おめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。
このような栄誉ある式典にお招きいただきありがとうございます。

貴学は台湾における養殖漁業，船舶航行，食品製造に関する研究及び教育に大いなる実績を残され，これらの分野の先導的役割を担っておられます。
これはひとえに，歴代の学長はじめ教職員の皆様方のたゆみない御努力の賜物とあらためて深く敬意を表します。

貴学の今後ますますのご発展を祈念いたします。

さて，この晴れの良き日に，長崎大学を代表して陳　哲聰先生に「長崎大学名誉校友記」を授与できることは，私の最も光栄とするところであります。

陳　哲聰先生は，１９７４年３月長崎大学大学院水産学研究科を修了後，東京大学大学院農学研究科に進学し，農学博士の学位を取得されました。帰国後，母校台湾海洋学院の教授等として，自身の研究とともに後進の育成に尽力されました。その後，国立高雄海洋技術学院に移りその長となると，この学院を大学に昇格させるべく奔走し，ついに台湾国立高雄海洋科技大学を設立し，大学院設置も実現させ，台湾における水産・海洋学研究の雄として，発展させました。

教育面において，台湾における水産教育の改革に務め，各種養殖関係やシミュレーションを駆使した船舶運行関係，遠洋から沿岸の定置漁業までの幅広い漁業関係，さらに食品製造関係など，特に実践的教育に力を注いでおられます。

研究面においても，日本留学中から続けている板鰓類の生活史の研究では台湾における第一人者とされており，公務や社会貢献の傍ら海外でのシンポジュウムや学会にも精力的に参加されています。

長崎大学との交流も緊密で，学生の海洋実習で，練習船を長崎港に入港させ，水産学部との教員・学生間の交流を盛んにし，２００５年４月には外国の大学との最初の協定校として長崎大学との間に学術交流協定が締結されました。

以上のように，陳　哲聰先生は，長崎大学の卒業生として顕著な功績を挙げ，長崎大学の名誉を高められましたので，その栄誉を讃え，ここに長崎大学名誉校友記を授与いたします。

長崎大学長　　　齋　藤　　　寛

（H18.05.06　高雄海洋科技大学）