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学長室

永年勤続者表彰式における学長挨拶

2008年03月27日

このたび平成20年3月31日付けをもってご退職の皆様には30年,あるいはそれ以上の長きにわたって本学に奉職いただ きました。皆様の永年にわたる本学へのご貢献に対しまして長崎大学を代表して心から感謝の意を表します。この感謝の気持ちを,こんにちまで永年に亘って皆 様を支えてこられたご家族またご関係の皆様にもどうかよろしくお伝え下さい。

私は昭和58年12月に長崎大学医学部に着任いたしましたから,多くの皆様方とは25年にわたりご一緒したことになります。

佐藤浩教授,若木太一教授,後藤恵之輔教授,藤田佳平衛教授らの皆様は20年来の知己であります。また,松田正浩課長,溝上雅敏課長,佐藤三郎事務長らの皆様がまだお若いときに,私は医学部において大変お世話になりました。本当に名残惜しく存じております。
さて,わが長崎大学はこのほど創基150年を迎えました。この150年を3つの時代に分けることができると考えます。

第1の時代は,申すまでもなく長崎大学の濫觴である「医学伝習所」が設立された1857年にはじまる発展の時代です。
第2は長崎が原爆の惨禍を受け1,000人近い長崎大学前身諸学校の教職員学生が犠牲になった1945年と現在に至るまでの再生と復興の時代です。
第3の時代のスタートが長崎大学創基151年となる2008年です。

その理由は,まず本学の多年にわたる最大の懸案事項であった築35年以上の文教キャンパス老朽建築物(実に全体の 68%に及ぶ)の改修がこの3月にほぼ完了したこと,同様に老朽化の著しかった附属病院の新病棟(800床)が竣工し5月にオープンすること,「放射線健 康リスク制御国際戦略拠点」がグローバルCOEに採択されたこと,イギリスのTHES(The Times Higher Education Supplement)誌,ならびに同じく世界の高等教育や専門職向け就職情報を専門に扱うQS(Quacquarelli Symonds)社が共同で行った「世界トップ大学500ランキング」で,長崎大学は国内14位,世界で273位に入ったこと(昨年の同調査では国内18 位,世界277位),さらにまた本日公表された本学の「大学機関別認証評価」も満足できる結果だったことなどから,本学が策定した「第1期中期目標・中期 計画」を達成できたと考えるからです。

このたび退職される皆様はまさに原爆罹災後の長崎大学の再生復興の時代の主役として活躍し,長崎大学の将来に対する確固たる基盤を作り,本学の第3の時代を担う後輩にバトンを渡してくださるのです。
これをしも長崎大学の恩人と言わずして本学が恩人と仰ぐ人がほかにいるでしょうか?

恩人と仰ぐ皆様に事々しくお礼を申し述べることは,かえって皆様に失礼にあたると存じますので,これ以上は申し上げません。

皆様の在職中のご貢献を長崎大学150年の歴史の名にかけても決して忘れることはありません。長い間,本当に有り難うございました。

皆様の今後ますますのご健勝を祈念申し上げまして,お別れの挨拶といたします。

 

長崎大学長   齋 藤   寛