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学長室

「痛み克服の国際的研究教育拠点の形成」第1回シンポジウムにおける学長挨拶

2008年03月14日

長崎大学長の齋藤寛でございます。
今回,「痛み克服の国際的研究教育拠点の形成」のキックオフシンポジウムを開催するに当たり,一言ご挨拶申し上げます。
長崎大学は1857年,オランダ海軍軍医ポンペ先生が開学した「医学伝習所」をその濫觴とします。昨年の2007年は長崎大学創基150周年を迎えました。
この間,2004年4月1日からは,長崎大学は国立大学法人長崎大学として新たなスタートを切りました。
これからの50年の長崎大学を展望し,2004年の法人化以来の第1期中期目標中期計画においては大学の経営基盤の確立から教育・研究のすべてにおいて,戦略的な取り組みを最優先してまいりました。
法人化に当たって5つの最重要課題を掲げましたが,その第1は「教育,研究の両面で世界のトップレベルを目指して,戦略的な教育研究企画を推進し,教育・研究のさらなる高度化,個性化を図る。」です。
これまでに放射線生命科学,熱帯病・新興感染症の2課題が21世紀COEプログラム,あるいはまたグローバルCOEに 採択されるなど,世界をリードする研究を行っておりますが,長崎大学の更なるレベルアップ,そしてポストCOEを見据えて,新たに10の重点研究課題を選 定しました。「痛み克服の国際的研究教育拠点の形成」は上記10課題の中でもっとも重要な課題の1つです。
本研究課題の重要なテーマは「痛み」であります。「痛み」は,健康を守るために必須の生体応答でありますが,同時に過剰あるいは慢性の「痛み」は,それ自身が疾患となり,人を苦しめます。
「痛み」に堪えることが美徳とされてきた時代もありましたが,現在では,「痛み」をコントロールし,制圧することで,人間としての尊厳を守りながら,質の高い生活をおくることが望まれています。
しかも,「痛み」は,特定の診療科,あるいは特定の疾患に限られるものではなく,すべての疾患で実に深刻な問題となる,まことに厄介な文字通りの「難敵」です。
この「痛み」を知り,「痛み」を制御し,「痛み」から解放されるための研究は,人の健康を守る上で極めて重要な課題です。
本課題では,長崎大学大学院医歯薬学総合研究科の研究者が結束して,基礎研究と臨床研究双方の情報の共有,双方向的なトランスレーションを実践することにより,真に医療に貢献できるプロジェクトとなることを目指しています。
本日のシンポジウムは,痛み克服の国際的研究教育拠点形成のまさに第1歩です。
長崎大学において,これまでの2つのCOEプロジェクトに続く,世界に誇ることのできる「痛み」研究拠点が構築されることを期待しています。そして,長崎から優れた研究者・医療専門家が輩出することを期待してやみません。
以上を持ちまして,長崎大学重点研究課題「痛み克服の国際的研究教育拠点の形成」キックオフシンポジウムの開会の挨拶といたします。

長崎大学長   齋 藤   寛

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