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学長室

長崎大学と放射線影響研究所との包括的協力協定調印式での学長挨拶

2006年11月10日


本日ここに大久保利晃放射線影響研究所理事長、寺本隆信同常務理事、赤星正純同長崎臨床研究部長をお迎えして、包括的協力協定が締結できましたことは私の非常な喜びであります。長崎大学を代表して、関係各位に対し心よりお礼申し上げます。

「世界にとって不可欠な『知の情報発信拠点』であり続けること」を理念とする国立大学法人長崎大学は、独自の学士課程及び大学院教育の充実による人材育成に努めるとともに、基礎的・先端的研究の更なる活性化を図り、その知的・人的・物的資産の社会的利活用を推進しています。

その中で大学院医歯薬学総合研究科附属原爆後障害医療研究施設は、被爆者後障害や放射線障害についてのよりレベルの高い研究推進と被爆者に対する最先端治療としての遺伝子治療の開発、更に原爆被爆者の資料収集保存に加えて、世界の被爆者医療の発信基地となることを目的としています。
平成14年度からは、文部科学省21世紀COEプログラム「放射線医療科学国際コンソーシアム」として、長崎・チェルノブイリ・セミパラチンスクにおける放射線被ばく者の疫学調査と分子生物学的解析の成果を基盤に、放射線の人体影響、特に低線量影響研究と発癌機構研究の世界的拠点として欧米・旧ソ連の主要16放射線研究機関・大学と国際コンソーシアムを形成し、各種プロジェクトを推進しています。

今回の協定締結は、放射線分野の更なる教育研究の向上と研究者及び医師の育成、並びに放射線障害医学や被ばく医療開発を中心とした我が国そして世界の放射線影響・医療開発研究の発展に資する協力体制を構築することを目的とするものです。

この協定の締結によって、世界で唯一直接核兵器の被害を受けた医科系大学であり、放射線影響研究分野の中核的研究機関である原爆後障害医療研究施設を有する国立大学法人長崎大学と、広島・長崎の原爆被爆者健康影響調査研究において国際的に高い評価を得ている日米共同研究所である財団法人放射線影響研究所が、幅広い協力の下に連携することにより、平和目的の下、国内だけでなく世界の放射線分野の教育研究の発展に多大に貢献することを確信しております。

長崎大学長   齋 藤   寛