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学長室

学生顧客主義(Student-Customer-Ism) 

2003年01月04日

先頃,玉利正人教育学部教授から「学生顧客主義」という言葉を教えていただいた。受験生募集,入学から卒業までの学生生活・勉学,就職,大学院進学,さらには卒業後まで「学生への対応を大学の一番大切な仕事と考える」ことをいい,1980年社会学者リースマンの記載にはじまるとのことであった。
昨年12月,島原共同研修センターで平成14年度長崎大学学生生活研究会(大学本部,部局長,学生委員会委員などが参加)があった。初めての試みであるが,研究・討議セッションで学生(経済学部4年坂口正史君,同砂原健一君)が「まちづくりとかっちぇる城栄」と題して自らの地域貢献活動を報告した。
両君の報告は実によく準備してあり,内容といい,態度といい申し分なかった。指導教官の山口純哉助教授は「ああしろ,こうしろと指示したことはない,学生の自主性に任せた」とコメントした。
発表で私がもっとも感銘をうけたのは「学生は長崎大学の最大の資本であり,その有効利用を図るべき,学生の行動は市民の大学評価に大きく関係する,市民は学生の行動(活動)で大学を見ている(評価している)」という2人の発言であった。
大学は学生あってのものであり,大学においては研究とならんで教育が一番大切なことは当然である。しかしながら,長崎大学を含めて国立大学の多くが学生を第一に考えてこなかったことも事実であり,いま,国立大学の存在価値が問われているのは,このことと無関係ではない。
本学は長い期間,校舎・教室は老朽化し学生の勉学・生活環境は劣悪なままであった。しかし,今年には片淵地区の「4階建校舎の増築」が完了し,文教地区では「学生プラザ(仮称)」などの環境整備計画が始まる。学生も大いに関心があろう。情報を公開して教育のソフト・ハード両面で積極的に学生諸君の提言を求めたいと考えている。
「大学で学ぶこと,それは大学時代に自己学習能力を獲得すること」である。もちろん自己学習能力は勉学だけの問題ではない。「今の学生は無気力だ」,「学園祭もようしきらん」,「昔のスチューデントパワーは今どこに?」とわれわれ仲間内でばかり言っていないで,「口を開けて待っていても何もでてこない,一緒に行動しよう」と彼らに参加を呼びかけるべきである。学生参加のもと,「学生が持つ力を最大限に発揮できる環境作り」,これを私は長崎大学の「学生顧客主義」と呼びたい。