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教育・学生生活Education / Student Life

気をつけようインターネット

平成17年5月11日
学長裁定


まえがき

インターネットは私たちの生活に大変身近なものになり,多くの人がその多彩なサービスを利用しています。 インターネットは,ホームページに象徴されるように,世界中の不特定多数に向かって情報が発信されるところに大きな特色があります。 ところが,インターネットが誰でも楽しめる通信手段として親しまれているその一方で,不用意な情報発信によって見る人に不快感を与えたり, ときには人権侵害にあたるような事例も多く報告されています。また,インターネット等を悪用した犯罪に巻き込まれる事例も増加しています。 本稿では,1~5でインターネット等を利用する際の注意事項を述べています。6ではよくあるインターネットトラブルとその注意点を解説し, 7では長崎大学セキュリティーポリシーについて簡単に触れています。

1.自己責任が原則であること

私たちが社会生活を営む上で,いろいろな法律や規則を守らなければならないのと同じように, インターネットを利用して情報を発信したり受信したりするときにも,これらの法律や規則を守らなければなりません。 インターネット上の行為であっても法律に違反するものは罰せられますし,もちろん知らなかったで済ませてはもらえません。 あなたがしたことの責任をとるのは,あなた自身なのです。

主な注意項目

  • 著作権の侵害
  • 商標の使用
  • 肖像権の侵害
  • プライバシーの侵害
  • 他人の社会的評価にかかわる問題
  • わいせつな情報の発信
  • 風俗営業
  • ねずみ講
  • 未承認医薬品販売,広告
  • 通信販売
  • 個人情報の保護

著作権の侵害

文章,写真,音楽,絵,ソフトウェアなどの著作物に関する権利は,著作権者だけが持っています。私たちがこれを複製,転載したり,改変したりする場合は,著作権者の許可を得なければなりません。
  以下の著作物をホームページや掲示板に掲載することは著作権の侵害にあたりますので注意してください。

  • 書籍,雑誌,新聞,他人のホームページなどの文章や写真
  • テレビやビデオから取り込んだ画像
  • 芸能人や著名人の写真や,キャラクターをまねて描いた絵の画像データ
  • 音楽や唄の歌詞またはCDなどから取り込んだデータ/li>
  • 他人の電子メール

なお,自分の意見と比較したり,自分の意見を補う目的で他人の著作物を利用することを「引用」といいますが,これは法律で認められており, 著作権者に許可を求めなくても問題はありません。ただし,引用はあくまでもその目的および分量において正当と認められる範囲内に限られ,出典,タイトルなどを示しておく必要があります。

また,最近ではファイル交換ソフトなどによる市販のソフトェア,著作物(映像,音楽など)の不正コピーが社会的な問題になっています。このような不正コピーをしないようにしましょう。 実際,ファイル交換ソフトを利用して映画を複製したとして,著作権法違反(映画著作物の頒布,頒布目的所持)の疑いで逮捕された例があります。


著作権の侵害に当たるかどうかは,下記のホームページのQ&Aが参考になります。

商標の使用

商品やサービスを識別するために付けられている文字,図形,記号などのことを商標といいます。商標は法律によって保護されていますから, 他人の商標をあたかも自分の商品やサービスのものであると誤解をまねくような使い方をしてはいけません。
  製品やサービスの名称,キャッチフレーズ,シンボルマーク等が著名である場合,実際に製品やサービスの内容が似ているか否かに関係なく勝手に使うことはできませんので注意が必要です。

肖像権の侵害

本人の許可なく,その人が写っている写真をホームページなどで公表すると,肖像権の侵害として訴えられ,損害賠償を請求される可能性があります。 有名人等の場合には,パブリシティ権(その肖像や氏名でもたらされる利益や価値を,独占的に支配する財産的権利)が関係してくるので注意が必要です。

プライバシーの侵害

他人の私生活に関わる各種の情報を本人の了解なくインターネットで公開すると,プライバシーの侵害として訴えられ, 損害賠償を請求される可能性があります。電子メールやホームページ等で他人の氏名, 住所,電話番号などの個人情報を表示するときは必ず事前に本人の了解を得るようにしましょう。

他人の社会的評価にかかわる問題

他人の社会的評価(世評・名声)を低下させるようなものをホームページに掲載すると民事上の責任(損害賠償責任)を問われる可能性があります。   また,場合によっては刑事上の責任(名誉毀損罪/侮辱罪)を追求される可能性もあります。

わいせつな文書や画像の発信

インターネットを利用してわいせつな文書や画像をホームページで発信したり,リンクを張ったりすると,法律で罰せられる可能性があります。

ねずみ講み

加入者をねずみ算のように増やしながら,加入金額を上回る金品を後の加入者から受け取る組織は俗にねずみ講と呼ばれ,法律で禁止されています。
  ねずみ講は自ら開設,運営,勧誘した場合に限らず,単に参加しただけの場合でも法律によって罰せられますのでご注意ください。

通信販売

インターネットを利用して通信販売をするときは,訪問販売等に関する法律が関係してきます。

個人情報の保護

他人の個人情報をホームページなどで収集したり利用したりするときには, どの情報を何のために収集・利用するのかを事前に説明して本人の承諾を得ることが大切です。 それが未成年者の個人情報であれば,保護者の承諾もとらなければなりません。

2.ユーザIDとパスワードの管理は厳重に

パスワードの重要性

インターネット等に接続するために入力したり,コンピュータに設定しておいたりするユーザIDとパスワードは, あなたが正当な利用者であることを証明する情報です。キャッシュカードの暗証番号のように, あなたの財産とプライバシーを守っているだけでなく,コンピュータシステム全体を不正なネットワーク利用から保護する役目も果たしています。

パスワードは他人から判別されにくいものにする

パスワードは判りにくいよう工夫をして,定期的に変更するよう習慣づけましょう。


  • 自分の氏名,生年月日,電話番号など,容易に類推できるパスワードでは,危険から身を守るのには十分とはいえません。
  • 過去に使ったことのあるパスワードを繰り返して使うのは良くありません。
  • パスワードを保存したソフトウェアをそのまま他人に使わせるのは危険です。
  • ユーザIDやパスワードを尋ねる不審な問い合せには応じないようにしましょう。
  • インターネット・プロバイダ(インターネットに接続するサービスをする企業)等からの請求書には必ず目を通し,身に覚えのない利用がないかどうか確認しましょう。

他人のユーザIDを使わない

親しい間柄や家族であっても,他の人のユーザID でコンピュータシステムに接続することは誤解や争いの種になります。 ユーザIDを共有することは,たとえ家族であっても好ましくありません。ユーザIDは一人一つずつ持つようにしましょう。 また,何かの理由で他人のパスワードを入手することがあっても,速やかに本人にそれを告げてパスワードの変更を促してあげてください。

3.自分のプライバシーを守る

なんらかの必要からインターネット上に個人情報を発信するときには,それによって生じる利益だけでなく, 発生する可能性のある不利益にも配慮する習慣をつけましょう。銀行口座の暗証番号と同じように, あなたがどこの誰なのかを知られてしまう住所,氏名,電話番号,生年月日などの個人情報にも注意を払ってください。
  電子メール,メールリングリスト,ホームページに署名をしたり,連絡先を記述するときには,個人情報の記述に注意しましょう。 懸賞やアンケート調査を装って個人情報を集め,宣伝のメールを送りつける業者もあるので,そのホームページの運営者が信頼できるかどうかに注意して利用しましょう。

4.コンピュータウィルスに注意る

コンピュータウィルスと呼ばれる悪質なプログラムに感染すると,その種類によってコンピュータが動かなくなったりファイルが壊れたりと, さまざまな障害がでます。コンピュータウィルスはプログラムやデータを媒介して伝染するので, 知らない人から来た電子メールや添付ファイルを開くときには注意が必要です(必要性を感じなければ開かないで消去しましょう)。
  ファイルを電子メールに添付して送信したりする場合には,あらかじめウィルスに感染していないことを確かめる習慣をつけましょう。
  ウィルスの感染を即座に知らせ,これを無効にする専用のソフトウェアが市販されています。これらは一般に「ワクチンプログラム」あるいは 「ウィルス対策ソフト」と呼ばれ,あらかじめコンピュータに導入しておけば,外部から持ち込まれるプログラムやデータがウィルスに冒されてい ないかどうかを監視してくれます。毎日のように新種のウィルスが発見され,報告されていますから, ワクチンプログラムのウィルスデータはこまめに更新し,新種のウィルスにも対応できるようにしておきましょう。 市販の多くのワクチンプログラムは,ウィルスデータを更新する権利が1年契約となっていますので,権利が消える前に忘れず契約を更新するようにしましょう。
  また,ウィルスに侵されたり,不正アクセスされたりしないように予防措置をとっておくことも重要です。少なくともOS(WindowsやMacOSなど)や応用ソフトウェア(ワープロソフト,表計算ソフト,メールソフトなど)の修正プログラムは定期的に適用しておきましょう。

5.不正なネットワーク利用はしない

アクセスすることが許されていないコンピュータシステム内に侵入したり,データを見たり,改ざんする行為, あるいはそのコンピュータシステムを利用したり,その運用を妨害したり,損傷を与える行為をしてはいけません。
  また,他人のパスワードを盗むこと,他人の電子メールを偽造すること,たくさんの電子メールや容量の大きな電子メールを一度に送る, いわゆる電子メール爆弾を送る行為,インターネット上を流れているデータを盗み取ったり改ざんする行為などは,すべて不正なネットワーク利用ですから決してしてはいけません。

6.よくあるインターネットトラブル

架空請求メール

身に覚えのない架空の料金請求が電子メール等により送られてくる。


注意点

  • 利用していないのであれば,無視してください。
  • 有料サイトを使用していた場合でも,その有料サイトからの請求とは限らないので, 自分が使用した有料サイト名は口にせず,サイト名を聞き,相手の告げるサイト名に覚えが無ければ,料金は払わないでください。
  • 住所,氏名,電話番号などの個人情報は絶対に伝えないでください。別の手段で請求してくることがあります。
  • 不安な場合は,下記相談窓口に相談してください。
  • 請求のメールやはがきは証拠になりますので,保管してください。

1回のクリックで登録・架空請求

携帯電話にメールが届き,一度押すと有料登録され, 「○月○日までに○万円振り込むように」と請求される。あるいは,携帯電話に知らない番号から着信があり, かけると出会い系サイトに繋がり,登録される。無視していると,脅迫めいた電話で請求される。 身に覚えのない架空の料金請求が電子メール等により送られてくる。


注意点

  • 法律的に支払う義務は無いので,絶対に支払わないで無視して下さい。
  • 今まで裁判になった例はほとんど無く,集金に来るといったケースもありません。
  • 電話がかかってきても出ないで下さい。もし出てしまっても,名前,住所,電話番号などの個人情報は絶対に伝えないでください。

ただし,裁判所から通知が届いた場合は,無視せずに下記相談窓口へ相談して下さい。

フィッシング詐欺

銀行や有料サービスサイトなどからのメールを装い,受信者を偽のホームページに誘い出し, そのホームページでクレジットカード番号等の個人情報を入手するものです。


注意点

  • 安易に個人情報を入力しないでください。
  • メールを送信してきた銀行等の正しいホームページにアクセスして確認してください (この時,電子メールのリンクは利用しないでください)。一般に,銀行等がこのようなメールを出すことはありません。

出会い系サイト

出会い系サイトを介して他人と知り合った結果,恐喝,暴力事件などに発展する事件が多発しています。 また,高額の入会金や利用料金を請求してくる悪質なサイトも存在します。


注意点

  • 好奇心や興味本位で出会い系サイトにアクセスしないようにしましょう。
  • 不用意に住所,氏名,電話番号などの個人情報を伝えないで下さい。
  • 安易に相手からの呼び出しに応じてはいけません。

チャットでのトラブル

チャットや掲示板は,インターネット上で多数の人と気軽に意見交換が楽しめるものですが, ささいなことからトラブルに発展するケースがあります。


注意点

  • 相手の立場や人格を尊重し,過激な表現や誹謗中傷・暴言・言葉 の揚げ足取りを書き込まないようにしましょう。好奇心や興味本位で出会い系サイトにアクセスしないようにしましょう。
  • もし,誹謗中傷を受けたり,個人情報を掲載されたりした場合は,その掲示板の管理者に削除を依頼しましょう。

もし,何らかのトラブルに遭ったり,引き起こしてしまったりした場合には,次の所に相談しましょう。


相談窓口

長崎大学学生支援センター「学生何でも相談室」
Tel:095-819-2106
長崎県消費生活センター
Tel:095-824-0999
長崎市消費者センター
Tel:095-829-1234
浦上警察署
Tel:095-842-0110
長崎県弁護士会法律相談センター
Tel:095-824-3903

上記以外のトラブルに関しては,次のサイトのホームページが参考になります。

7.長崎大学セキュリティポリシー

あなたは学内のコンピュータを利用する機会が多いと思いますが,その際は,長崎大学情報セキュリティポリシーを遵守しなければなりません。 長崎大学情報セキュリティポリシーは,わたしたちの身近な問題となったネットワーク上の脅威から,長崎大学および個人の情報資産を守るための基本方針・対策基準です。
  ユーザIDとパスワードの管理に気をつけることと不正なネットワーク利用はしないことが大切ですが,この他に特に以下のことを守ってください


  • あらかじめ決められた設置場所でコンピュータを利用しましょう。無断で移動させてはいけません
  • コンピュータやネットワーク機器を取り付ける際は,事前に管理者の許可を取り,指示された方法で接続しましょう。 その際,セキュリティ対策が施されていないコンピュータをネットワークに接続することはしないで下さい。 管理者は,ネットワークごとに異なります。
  • コンピュータに何か異常を見つけた時は,積極的に管理者または教職員に報告しましょう。

あとがき

インターネットの利用が益々増大し,新しいサービスが提供される反面,これまでなかったいろいろのトラブルが発生することも予測されます。 本稿で述べたことを良く守ると同時に,最新の情報にも気をつけておくことが大切です。


さらに詳細を知りたい人は,下記のホームページが参考になります。