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原爆犠牲者慰霊祭を挙行

8月9日(土)午前10時55分から医学部記念講堂において,御遺族,学長,医学部長,教職員ら約210人の出席のもと執り行われました。原爆犠牲者慰霊祭は,原爆死没教職員・学生898人の御霊を慰めるため毎年実施され,今年は被爆69年目にあたります。

はじめに下川功医学部長から式辞があり,その中で現在,核兵器を保有する国は9カ国,約1万6000個の核弾頭が世界に存在すると推定されていることに触れ,一発の原子爆弾によって898名の尊い命が失われ,一瞬のうちに周辺の町が消失してしまうといった,その取り返しのつかない被害,惨さ,残された人々の悲しみを国際社会に伝えなければならないとの考えを示され,二度と核兵器が使用されることがない,平和な社会を構築するために,私たちができることを考え続け,行動したいとの決意を述べられました。

引き続き,原子爆弾投下時刻の午前11時2分に合わせて,参列者全員による黙祷が捧げられました。

つづいて,昭和20年当時,長崎医科大学附属医院の放射線科で看護婦をされていた椿山政子氏から,原爆投下当時の惨状を追想するお話をいただいた後,片峰学長ほか大学関係者,御遺族ら参列者全員による献花が行われました。

その後,国際ヒバクシャ医療活動や福島復興に尽力する山下俊一理事・副学長から講話があり,原爆被爆後,絶望の原子野で「どん底の下に大地有り」と勇気を持って復興の道を開かれた永井隆博士の心に思いを馳せ,原爆被災で壊滅した唯一の医学部として,今後とも被災地に寄り添い,東北の復興と再生という困難な課題の解決に向けて引き続き尽力し,長崎と福島,そして世界のヒバクシャ医療へ責務を果たして参りたいとの思いを披瀝されました。

最後に御遺族を代表して青木克己氏からのご挨拶をもって閉式となりました。

慰霊祭終了後,医学部福利厚生棟において,学徒遺族会,教職員遺族会及び看護婦遺族会合同の追悼懇談会が行われました。

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式辞を述べる下川医学部長

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被爆時の惨状を語られる椿山氏

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厳粛な雰囲気の慰霊祭会場

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講話をする山下理事・副学長

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ご遺族を代表して挨拶される青木氏