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エボラ出血熱の二次感染を防ぐ 個人防護具着脱訓練

長崎大学病院は西アフリカを中心に流行しているエボラ出血熱患者の発生に備え、9月から医療従事者の個人防護具の着脱訓練に取り組んでいます。10月29日、その様子を報道陣に公開しました。

本院は県内唯一のエボラ出血熱を含めた一類感染症に対応した隔離病床2床を設置している第一種感染症指定医療機関です。本院のほかに全国44施設が指定医 療機関で、エボラ出血熱の患者さんが発生した際には、治療に当たることになっています。前室を備えた隔離病床は外部との接触が遮断され、食事の配膳から排 泄物の処理まで外部に病原微生物が漏れないよう厳重に管理されています。

アメリカやスペインなどの先進国の感染者はほとんどが医療従事者で、特に個人防護具を脱ぐ際に二次感染のリスクが高いとされています。そのため、今回の訓 練はこうしたリスクを防ぎ、感染の拡大を防ぐことを目的として行われました。本院の感染制御教育センターの医師らが指導して、これまでに院内の医療従事者 のべ44人が参加しました。

個人防護具の装備について、医療用手袋は二重に装着し、さらに皮膚が露出しないようにテープを使用。着用した二重の防護服を脱ぐ際、病原微生物で汚染され た可能性のある表面の部分を内側に丸め込みながら、慌てずに脱衣するのがポイントです。エボラウイルスは発熱などの症状を有する患者さんと直接的に接触す ることで感染の可能性が高くなるとされておりますが、ウイルス自体はアルコールなどの消毒液で容易に死滅するといわれています。

泉川公一センター長は「県民の皆さんが安心できるように、長崎大学病院では万全の体制を整えております。皆さんの冷静な対応が感染拡大を防ぐことにつながります」と話していました。

 

着脱の訓練をする医療スタッフ

着脱の訓練をする医療スタッフ

着脱の訓練をする医療スタッフ