HOME > NEWS > 詳細

News

ここから本文です。

水産・環境科学総合研究科の阪倉良孝教授、萩原篤志教授、荒川修教授、高谷智裕教授らと東京大学、水産・教育研究機構の研究グループが、公益社団法人日本水産学会より平成29年度日本水産学会論文賞を受賞

  水産・環境科学総合研究科の阪倉良孝教授、萩原篤志教授、荒川修教授、高谷智裕教授らと東京大学、水産・教育研究機構の研究グループが、公益社団法人日本水産学会より平成29年度日本水産学会論文賞を受賞しました。受賞対象となった論文題目は本研究科を修了した沖田光玄博士(現・西海区水産研究所)が筆頭著者となった「Transcriptome analysis of tetrodotoxin sensing and tetrodotoxin action in the central nervous system of tiger puffer Takifugu rubripes juveniles」で、Fisheries Science誌83巻3号に掲載されたものです(https://link.springer.com/article/10.1007/s12562-017-1079-z)。
  受賞論文は、トラフグ稚魚のフグ毒の知覚と中枢神経作用を明らかにするため、フグ毒を感知または蓄積させた無毒人工種苗について、嗅覚器と脳の遺伝子発現をトランスクリプトーム解析により網羅的に調べた研究です。トラフグ稚魚はフグ毒を感知・蓄積すると、それぞれ21種・81種の既知遺伝子が対照よりも有意な発現変動を示しました。これらのうち脳より摂食調節と報酬系関連遺伝子の発現変動が検出されたことから、トラフグ稚魚はフグ毒を報酬と知覚し、摂食中枢を介してフグ毒の摂取を調節する可能性があると結論しています。フグ毒蓄積のメカニズムは海洋生物学の積年の謎であること、フグ毒が稚魚のかみ合いに関係する例もあることなどから、本論文の示した学術的にも水産増養殖においても非常に有益な論文と考えられる点が評価されました。
  同賞は、日本水産学会が編集するFisheries Science誌と日本水産学会誌に掲載された報文の中から特に優れたものを日本水産学会論文賞として毎年選考するものです。東京海洋大学品川キャンパスで開催された平成30年度日本水産学会春季大会会期中の3月28日に授賞式が執り行われました。

賞状

論文賞の賞状    

授賞式にて。左より阪倉教授、日本水産学会長 塚本勝巳 日本大学教授、沖田光玄博士(水産・環境科学総合研究科修了・現 西海区水産研究所)

授賞式にて 左より阪倉教授、日本水産学会長 塚本勝巳 日本大学教授、
沖田光玄博士(水産・環境科学総合研究科修了・現 西海区水産研究所)