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水産・環境科学総合研究科の中山智喜准教授が文部科学大臣表彰(若手科学者賞)を受賞

水産・環境科学総合研究科の中山智喜准教授が、「レーザー分光法を用いた大気微小粒子の光学特性の研究」の業績により、平成30年度科学技術分野の文部科学大臣表彰(若手科学者賞)を受賞しました(業績概要は別紙参照)。
  今回対象となった「レーザー分光法を用いた大気微小粒子の光学特性の研究」は、中山准教授が名古屋大学時代から取り組んできたもので、大気中のエアロゾル粒子が気候や大気環境に及ぼす影響の理解や評価に貢献することが期待されます。              
   科学技術分野の文部科学大臣表彰は、科学技術に関する研究開発、理解増進等において顕著な成果を収めた者に対して、その功績を讃えることにより、科学技術に携わる者の意欲の向上を図り、もって我が国の科学技術水準の向上に寄与することを目的としています。
   文部科学省の発表によると、本年度は全国で99人が同賞を受賞しました。
なお、表彰式は、平成30年4月17日に文部科学省3階講堂で行われました。

(中山准教授のコメント)
   この度は、平成30年度の科学技術分野の文部科学大臣表彰(若手科学者賞)を受賞させて頂き、大変光栄に思っております。受賞対象となりました大気浮遊粒子(エアロゾル粒子)の光学特性に関する室内実験および観測研究は、名古屋大学の松見豊名誉教授・持田陸宏教授、国立環境研究所の今村隆史博士・佐藤圭博士、京都大学の梶井克純教授をはじめとする多くの研究者の皆様や、学生・技術職員の皆様との共同研究として実施したものです。ご協力頂いた皆様に深く感謝申し上げます。
   PM2.5などのエアロゾル粒子は、太陽光を吸収または散乱することで、地球の大気を加熱または冷却し、気候や大気環境に重要な影響を及ぼしていると考えられています。しかし、有機物でできた粒子や、他の成分によって被覆された黒色炭素(スス)粒子の光学特性(光散乱や光吸収の効率)については、理解が進んでいませんでした。私たちは、レーザー光を利用した新しい方法を用いることで、生成過程によって有機物粒子の光学特性が変化することなどを明らかにしてきました。今後、長崎大学において、アジア大陸の大規模排出源の下流域におけるエアロゾル粒子の観測研究などに取り組み、エアロゾル粒子が気候や大気環境、健康に及ぼす影響の理解を通じて、よりよい環境や社会の実現に貢献できるように、研究・教育に精進していきたいと考えています。

中山准教授

中山准教授