2018年10月22日
本学が邦訳した「安定ヨウ素剤投与による甲状腺ブロック:放射線災害および原子力災害への計画と対応における利用ガイドライン」が、世界保健機関(WHO)のホームページに公開されました |
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わが国の原子力災害医療体制は、平成23年3月に発災した東京電力福島第一原子力発電所の事故を受け、大幅な見直しが行われました。具体的には、平成24年10月31日に原子力規制委員会による新たな原子力災害対策指針が策定され、その後、平成25年6月5日には改正がなされています。 その中で、安定ヨウ素剤の予防的内服については、「予防的防護措置を準備する立地・隣接都道府県は住民に対して安定ヨウ素剤を事前配布することができる体制を準備するとともに、事前配布に当たっては、住民への説明会を開催し、安定ヨウ素剤の予防効果や副作用について説明すること」、とされています。これを受けて現在、原発立地周辺住民のみならず、国・自治体・医療機関をはじめとする関係者間においても、安定ヨウ素剤の配布に対する関心がより高まっているのが現状です。 世界保健機関(WHO)は、チェルノブイリ原発事故を受け1999年に原子力災害時における安定ヨウ素剤投与についてのガイドラインを策定しましたが、福島原発事故を受け2017年にその改訂版を公表しました。長崎大学は、2004年から「放射線誘発甲状腺がんと放射線リスク制御」におけるWHO協力センターに再指定され、WHO本部との連携を強化してきましたが、このたび本学が改訂版ガイドラインの邦訳を行い、フリーダウンロードが可能なPDFファイル版としてWHOのホームページに掲載されましたので御紹介いたします(下記URL御参照ください)。 関係者の皆様におかれましては、実効性のある安定ヨウ素剤の予防的内服マニュアル作成や住民への説明対応等において、ぜひこのガイドラインを活用いただければ幸いです。 |
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平成30年10月 国立大学法人 長崎大学 原子力災害対策戦略本部長 山 下 俊 一 |
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≪WHOホームページURL≫ ■ガイドライン(英語版ダウンロードページ) Iodine thyroid blocking Guidelines for use in planning and responding to radiological and nuclear emergencies http://www.who.int/ionizing_radiation/pub_meet/iodine-thyroid-blocking/en/ ■ガイドライン(日本語版) (PDF:1,869KB) 安定ヨウ素剤投与における甲状腺ブロック 〜放射線災害および原子力災害への計画と対応における利用ガイドライン〜 |