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工学研究科の永井弘人准教授が「JAXA航空イノベーションチャレンジ 2022 powered by DBJ」に採択されました

 工学研究科の永井弘人准教授の「人間との共生を目指した生物型飛翔ドローンに関するフィジビリティスタディ」に関する研究が「JAXA航空イノベーションチャレンジ 2022 powered by DBJ」に採択されました。

 「JAXA航空技術イノベーションチャレンジ」とは、JAXAにおいて世界の航空輸送や航空機利用のイノベーションを推進するため、日本の航空産業の競争力強化につながる新たな技術やアイディアを広く求める公募制度です。

 永井准教授は人間社会に調和するドローンを目指し、生物の飛行を規範とした羽ばたき型ドローンを開発しています。現在の飛行ドローンはマルチコプターと呼ばれるタイプで、大型サイズになるほど風に強く安定した飛行ができ、輸送できる重量も増えますが、墜落による地上への損害は大きなものになります。ドローンを小型化すると人や建物への損害は小さくなりますが、風への影響を受けやすく、屋外での安定した飛行は難しくなり、飛行性能は低下してしまいます。一方、自然界では鳥や昆虫は翼を羽ばたかせ、翼の周りに発生する渦を積極的に利用することで、小型サイズでも風のある屋外を自由に飛行しています。生物の優れた羽ばたき飛行をドローンに応用することができれば、より人間に近づいたドローンの運用が期待できます。

 永井准教授の研究グループでは、両翼サイズ18cm、機体重量20gの手の平サイズの羽ばたき型ドローンを開発し、ワイヤレスでのホバリング飛行や垂直離陸に成功しました。軽量かつ柔軟な翼を用いた羽ばたき型ドローンは、接触に対する安全性が高く、また静音性にも優れており、住宅・学校・オフィス・商業施設・工場など人々の身近な空間を飛行できる都市型のドローンとして期待されます。

 本研究では、翼・機体の材料や加工方法、電子機器などの小型軽量化、操縦や通信などのソフトウェアの構築など、現在あるプロトタイプの羽ばたき型ドローンのより実用化に向けた開発に取り組んでまいります。

 図:羽ばたき型ドローン