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  • 受 賞

工学研究科博士前期課程の馬渕史彰さんが、2022年度資源・素材関係学協会合同秋季大会において、若手ポスター発表賞を受賞しました

  2022年9月7日に、工学研究科 総合工学専攻 博士前期課程2年次生の馬渕 史彰さんが、2022年度資源・素材関係学協会合同秋季大会(2022年9月6~8日、福岡工業大学)において、「塩化物系水溶液から電析されたニッケル薄板の機械的特性評価」というタイトルで、若手ポスター発表賞を受賞しました。

  馬渕さんは、鉄族金属の電析反応に対して触媒作用を有する塩化物イオンおよび均一電着性に優れるホウ酸イオンに着目して電解浴を合成し、高速成膜条件(電流密度:600 A/m2)においても、密着性と剥離性を維持出来る金属チタン製のダンベル型カソード表面に金属ニッケル薄板(最大板厚:870 µm)を迅速に電鋳・剥離可能な技術の開発に成功しました。特に、電解浴中へ硫黄-窒素原子を含む人口甘味料の一つであるサッカリンナトリウムを微量添加した場合、平均結晶子径が約20 nmレベルにまで減少し、ニッケル薄板の表面平滑性が飛躍的に改善され、クラックフリーの金属光沢が発現することを見出しております。さらに、電析ニッケル薄板の引張強度は、結晶粒微細化による強化機構を介して1 GPa(ギガパスカル)を超越し、最大強度は1.337 GPaまで到達しております。これは、通常の溶融凝固法で作製された低炭素鋼SS400や純Niの引張強度(約0.4 GPa)の3倍以上の物性値となっております。今回の発表では、研究内容およびプレゼン技術等が総合的に評価されての受賞となりました。

馬渕 史彰 さん