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多く皆さまのご支援をお願いします! 変形性関節症による「ひざの痛み」の根本的治療法の開発を進めたい

国立大学法人長崎大学(学長:河野 茂、所在地:長崎県長崎市)は、クラウドファンディングサービス「READYFOR」にて、「変形性関節症による「ひざの痛み」の、根本的治療法の開発を進めたい!」を公開しました。
 これまでの研究によって解明されてきた変形性関節症のメカニズムを治療戦略へ応用し、まずは第一目標として、化合物のスクリーニング(候補物質の探索)、および培養した軟骨細胞を用いた検証段階にかかる500万円を目標に、本日2022年11月1日(火)から12月23日(金)まで寄付を募ります。
 (プロジェクトURL:https://readyfor.jp/projects/KOA

 

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変形性関節症に立ち向かう 〜日本の超高齢社会と切り離せない「ひざ」の悩み〜
  1997年、白血病の原因を探る研究から偶然「骨をつくる遺伝子」を発見したことをきっかけに、骨・関節の研究にのめり込んでいきました。基礎研究に専念するため、2004年に長崎大学に移り、現在に至っています。
  変形性関節症の症状は、体重の負荷のかかる膝や股関節において痛み・関節の腫れが生じ、可動域が制限されて動かしにくくなることから始まります。悪化すると痛みがさらに強くなり、思うように体を動かすことができなくなってしまい、日常生活も困難になっていきます。
  変形性関節症は50歳代から増加し、70歳代では男性の50%・女性の70%が膝の変形性関節症を起こしていると言われています。これは膝の痛みの原因として最も多く、日本全体では2,500万人にものぼると推測されています(J Bone Miner Metab 27: 620-628, 2009)。若い人でも、激しい運動や膝のけがなどが原因で変形性関節症になることがあり、高齢者のみが発症するわけではありません。

変形性関節症の根本的な治療法の開発に向けて〜関節の軟骨細胞の研究を軸とした治療戦略の実現へ〜
  私たちは、長崎大学医歯薬学総合研究科で、変形性関節症の根本的な治療法の開発に取り組んでいます。このプロジェクトを通して、変形性関節症に対して臨床で効果があり、加えて副作用も少ない薬の開発を加速させることを目指しています。
  具体的には、関節軟骨細胞の変化(=軟骨細胞の成熟)を抑制することで関節の破壊を防ぎ、膝の軟骨によるクッション機能を維持あるいは回復を促す薬の開発を目指しています。
現在は変形性関節症の発症の仕組みをすでに解明できており、その次のステップとして軟骨細胞の成熟を抑えるはたらきをもつ化合物(=薬の候補となる物質)を発見するための研究へ、歩みを進める段階です。将来的に、発見した化合物のさまざまな検証・試験を経て、関節内に注射する薬剤を開発し、関節の軟骨を若がえさせるはたらきをもつ変形性関節症の治療薬として活用されることを目指しています。

■クラウドファンディングプロジェクト概要
・タイトル「変形性関節症による「ひざの痛み」の、根本的治療法の開発を進めたい!」
・URL:https://readyfor.jp/projects/KOA
・目標金額:500万円
・募集期間:2022年11月1日(火)10時~12月23日(金)23時  52日間
・資金使途:化合物のスクリーニングおよび培養した軟骨細胞を用いた検証(研究員の雇用費用・スクリーニングの消耗品費など)
・形式:寄付金控除型 / All-or-Nothing方式
※All-or-Nothing方式は、期間内に集まった寄付総額が目標金額に到達した場合にのみ、実行者が寄付金を受け取れる仕組みです。

■長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 分子硬組織生物学分野、骨・軟骨基盤創薬研究室について
高齢化社会を迎え、骨や関節を維持することがこれまで以上に重要になってきました。痛みもなく自由に動けることは、人にとって非常に重要なことです。最近、健康寿命(健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間)が良く言われる様になりましたが、骨・関節の維持は、まさに健康寿命を伸ばすことに他なりません。当研究室では、骨が形成されるメカニズムおよび関節軟骨が破壊されるメカニズムを明らかにしてきました。これらの基礎研究をもとに、独自の方法で、骨粗鬆症と変形性関節症の治療薬の開発を行なっています。