HOME > NEWS > 詳細

News

ここから本文です。

  • 学生活動

「同性婚について考える」多文化社会学部、河村ゼミが一般公開セミナーを開催

説明を行うゼミ学生

 2月28日(火)、長崎大学多文化社会学部の河村有教(かわむらありのり)准教授のゼミ学生が、「同性婚について考える」をテーマに一般公開セミナーを開催しました。

 河村ゼミでは、「戦争と平和」、「ジェンダーと人権」、「宗教と国家」など、現代社会の諸問題を「法」の視点から考え、前期後期それぞれ一つのテーマを決め、関連文献を読み、お互いに意見や気付きを出し合い、さらに考察を深めていくことを主題としています。今回の一般公開セミナーは、日頃のゼミでの学びをフィードバックし、一般の皆さまと共に考えることを目的に開催されたものです。
 9月から始まった後期ゼミでは、「ジェンダーと人権」や「ジェンダーと法」の問題にゼミ学生の関心が高かったことや、関連する報道も相次いだことから、「同性婚」をテーマに学習することとしました。学生らは、書籍『台湾同性婚法の誕生』(鈴木賢 著、日本評論社,2022 年)等、様々な資料を読み、意見を交わしてきました。台湾は、2019年アジアで初めて同性婚を法制化した国です。

 セミナーでは、台湾で1980年代から始まる同性婚に関する運動を始め、政権交代による変化や市民意識の推移など、台湾で同性婚が法制化されるまでの経緯について解説、続けて日本における同性婚訴訟の動向について発表がありました。

説明を行うゼミ学生

 ゼミ学生達は、日本の意識調査における同性婚への理解の高さや台湾において同性婚法制化後に賛成が反対を上回った経緯を紹介し、同性愛者の方が安心して暮らしていけるような社会になって欲しい、もっと積極的に議論をして欲しいと意見を述べました。

最後にセミナー総括としては、河村准教授から
「異性間では法律婚と事実婚があり、事実的に婚姻をしているカップルも日本の国内には存在している。争点は、同性間のカップルでも婚姻ができるか否か、異性間のカップルと同様の法的権利の保障がなされるべきか否かです。今後、現在進行している裁判の判決が報道されますので、司法の判断に注目していただきたい」とコメントがありました。