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ボリビア国「シャーガス病母子感染対策向上プロジェクト」が2022年度 JICA草の根技術協力事業 に採択されました

 長崎大学大学院熱帯医学・グローバルヘルス研究科が、独立行政法人国際協力機構(JICA)の 2022年度草の根技術協力事業(パートナー型)にボリビア国「シャーガス病母子感染対策向上プロジェクト」として申請し、採択されました。
 この事業は、2024年 1月~ 2026年 12月の 3年間の予定で、ボリビア多民族国サンタクルス県ラグアルディア市を対象に保健省、サンタクルス県保健局、ラグアルディア市、ガブリエル・レネ・モレノ大学とともに、シャーガス病の母子感染対策の向上を目標とし、シャーガス病の新生児治療のための情報管理方法の改善、医療従事者のシャーガス病に関する知識の向上、妊産婦のシャーガス病に関する知識の向上を図るものです。
「顧みられない熱帯病(NTD)」の一つであるシャーガス病は 、 サシガメという昆虫に媒介されて感染する寄生原虫疾患で主に中南米 で 流行し ています。 サシガメによる自然感染のほか 、 母子感染などにより感染し、心疾患や消化器疾患等が生じ死に至ることもあります。ボリビアでは国土の半分以上で 流行、感染者は 60〜 180万人と推測されています。殺虫剤散布によるサシガメ制圧で自然感染は減少しましたが、母子感染対策は十分には進んでおらず、母子の健康が脅かされています。
 長崎大学は 20年以上に わたるボリビアでのシャーガス病の研究実績があり、今回のプロ ジェクトはその実績を活かし、母親の陽性率が高いラグアルディア市で母子感染対策を向上することを目的としています。

 熱帯医学・グローバルヘルス研究科の平山謙二教授は、その意気込みを次のように語っています。
「シャーガス病の母子感染は新生児期の診断治療により100%治癒可能であるにもかかわらず、貧困や知識の不足、医療サービスの不備などによって対策が遅れていると言われています。このプロジェクトが成功することで、妊産婦、新生児、子ども、貧困層などの脆弱な人々を中心に地域住民やコミュニティに大きなインパクトがもたらされると期待しています。」


*【JICA草の根技術協力事業とは】
国際協力の意志のある日本のNGO/CSO、地方自治体、大学、民間企業等の団体が、これまでの活動を通じて蓄積した知見や経験に基づいて提案する国際協力活動を、 JICAが提案団体に業務委託して JICAと団体の協力関係のもとに実施する共同事業です。
https://www.jica.go.jp/partner/kusanone/index.html