HOME > NEWS > 詳細

News

ここから本文です。

  • 研究

「ながさきBLUEエコノミー総会を開催:海の未来を築く養殖革命の舞台」

ながさきBLUEエコノミー総会会場の様子

 202375日(水)、長崎サンプリエールでながさきBLUEエコノミー総会が開催されました。ながさきBLUEエコノミーとは、海の生物と環境を保護しながら資源の利用を行い、地域経済の持続的な発展を目指す取り組みであり、長崎大学をはじめとする産官学の協力によって推進されています。 

 総会は参加者142名(オンライン含む)の養殖業界や関連研究者、企業などからなる多彩なメンバーが集まり、意見交換や情報共有が活発に行われました。本学河野茂学長による挨拶及び協和機電工業株式会社 坂井代表取締役からの祝辞に始まり、長崎大学海洋未来イノベーション機構の中村乙水助教と征矢野清教授から活動報告が行われました。

挨拶を行う河野学長

 中村助教は「バイオロギング手法を用いた養殖魚の行動モニタリングの試み」と題して、動物の行動をモニタリングするために用いられるバイオロギングと呼ばれる技術を養殖魚へ応用する試みについて報告しました。 
 バイオロギング手法では、養殖魚に記録計を装着し、個体の行動を連続的に記録します。この手法を用いて、養殖魚の行動パターンを把握することで、給餌中の摂餌量の定量化や遊泳量の定量化を行うことが可能です。また、この行動パターンをA I化し、自動給餌機と連動させることで最適給餌を行えるようになることから、養殖業の持続可能性向上に貢献することが期待されています。

次に、征矢野教授は、ながさきBLUEエコノミー活動概要について報告しました。
このプロジェクトでは、養殖DXの推進を通じて、若者が集まり活気づく海と生きる地域社会の実現を目指しています。具体的には、ブリ養殖を柱とした新たな養殖産業を長崎で創出し、雇用の増加や若者の定着の促進を図ることが紹介されました。さらに、最新の技術を導入した分野横断的なイノベーションを通じて、養殖業の産業化を推進し、日本人の魚食の回復と世界中の人々の健康に貢献することを目指すことが力強く発表されました。

 近年、国内の水産業は生産量・生産額の減少による生産性の低下、就業者数の減少、高齢化や後継者不足など人的な課題、自然被害や海域汚染などの自然環境変化などのさまざまな課題に直面しています。しかし、このような困難な状況の中でも、長崎大学を中心としたこの養殖業産業化への革新的な取り組みは、参加者に大きなインパクトを与えていました。

ながさきBLUEエコノミー総会は、このような目標を達成すべく集まった産官学の多彩なメンバーが、それぞれが担うべき役割について話し合い、その進捗状況を共有する貴重な場です。今回の総会も最後まで参加者の熱意と熱気が冷めることなく、盛り上がりを見せた総会となりました。

▶ながさきBLUEエコノミーホームページ

https://blueco.ciugc.nagasaki-u.ac.jp/



長崎大学海洋未来イノベーション機構
中村 乙水 助教

長崎大学海洋未来イノベーション機構
征矢野 清 教授

閉会の辞を述べる長崎大学永安理事

■ながさきBLUEエコノミー関連記事

●産・官・学のプロジェクト「ながさき BLUE エコノミー」海の食料生産を持続させる養殖業産業化共創拠点を本格始動|長崎大学 (nagasaki-u.ac.jp)
●研究 - 長崎大学 広報紙 Choho (nagasaki-u.ac.jp)