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長崎大学パスポート会員限定講演会:中谷学芸員の情熱と共に綴る「日蘭ティラノサウルス交流記」

 8月6日(日)、長崎大学生涯教育センターが今年度第1回目となる長崎大学パスポート(※)会員限定講演会「日蘭ティラノサウルス交流記」を開催しました。会場内では、パスポート会員である県内の小・中学生61名が、実物大のティラノサウルスの化石のレプリカに出迎えられ、参加者たちの興奮が高まりました。

ティラノサウルスのレプリカ(長崎市恐竜博物館所蔵)の前で講演する中谷学芸員

 講師の中谷大輔 学芸員(長崎市教育委員会 恐竜研究所・長崎市恐竜博物館 )は、幼少期から恐竜への興味を抱き、高校生時代には真剣に恐竜や化石の専門家を目指すようになったとのこと。今はその夢を実現し、長崎市恐竜博物館で学芸員として熱心に活動されています。中谷学芸員の恐竜に対する情熱溢れる自己紹介に、参加者たちは興味津々で耳を傾け、憧れの眼差しで見つめていました。
 中谷学芸員の講演は、長崎市立恐竜博物館の紹介と長崎で発見された化石の解説から始まりました。参加者たちは、熱心に化石の特徴についてメモを取ったり、絵に書いたりしながら、お話に聞き入っていました。
 特に、今回の講演テーマである「ティラノサウルス」の紹介では、参加者の目が一層輝きを増し、その存在に引き込まれていました。中谷学芸員によると「ティラノサウルス」は、恐竜のなかでも圧倒的な人気を持つそうです。
 講演中、クイズのコーナーも設けられ、たくさんの手が挙がりました。嬉しいことに、正誤に関係なく解答者全員に漏れなく中谷学芸員デザインのティラノサウルスの特製ペーパークラフトがプレゼントされ、会場は盛り上がりました。
 長崎市立恐竜博物館に展示されている「ティラノサウルス」のレプリカは、オランダのライデン市ナチュラリス生物多様性センターのトリックスという愛称で呼ばれる実物化石をもとに製作されました。このレプリカ製作は、江戸時代から続くオランダと長崎との交流、ライデン市と長崎市の姉妹都市の締結(2017年)といった歴史と友好関係によって生まれた協力体制無しには成し得なかったのだそうです。また、同博物館には、まるで生きているかのように動く、ティラノロボットがありますが、これもレプリカ同様にナチュラリス生物多様性センターの研究員と協議を重ねて実現した、手の生え際の羽毛や尻尾の微妙な角度など、細部までこだわり抜かれた精緻なロボットです。トリックスのレプリカとティラノロボットのお話は、当時のプロジェクトメンバーであった中谷学芸員だからこそ語ることが出来るエピソードであり、参加者にとって、博物館に行くだけでは知り得ない貴重な情報となりました。

 中谷学芸員は講演会を次のように締めくくりました。
「長崎市恐竜博物館のティラノサウルス(骨格レプリカ・ロボット)は、長崎とオランダの協力関係に基づいて製作されたものであり、日蘭交流のシンボルとなっています」
 小学1年生の参加者は、「ティラノサウルスのしっぽがどうして長いのかが気になった。ティラノサウルスのことをたくさん知れて嬉しかった」と、喜んでいました。
また、ティラノサウルスの研究をしているという中学1年生の参加者は、「長崎とオランダの交流を象徴するティラノサウルスが長崎市恐竜博物館にあることを誇らしく思います」と、感想を述べました。
 講演会が終了すると、参加者たちはティラノサウルスのレプリカ前で写真を撮影していたほか、これから急いで長崎市立恐竜博物館へ行くという参加者もおり、興奮冷めやらぬ様子でした。

クイズコーナーでのたくさんの挙手

クイズの景品としてティラノサウルスのペーパークラフトをプレゼント

講演会終了後にレプリカの前で写真撮影

 長崎大学パスポート会員限定のイベントは、今後もサイエンスファイトや長大さるくなど、様々な魅力的なプログラムが続く予定です。県内の小・中学生にとっては貴重な学びと体験の機会となっていますので、パスポート会員登録の上、是非ご参加ください。

※長崎大学パスポートとは、長崎大学が企画運営するイベントに参加することで、小・中学生の頃から大学での学びを通じてさらなる学習意欲の向上と、地元の長崎大学に親しみと関心を持ってもらうことを目的とした取り組みです。