HOME > NEWS > 詳細

News

ここから本文です。

米国ニューメキシコ大学と長崎大学薬学部生との交流会が開催されました

 長崎大学薬学部に3月5日(月)から15日(金)の2週間にわたり、アメリカ合衆国のニューメキシコ大学(以下、「UNM」)から薬学部4年生の Makhaila M Esquibel さん、Mostafa Qasemi さんと教員2名が、日本の薬剤師の実態を学ぶために来日しました。

 長崎大学は2023年2月14日、UNMと大学間学術交流協定を締結し、それぞれの大学が持つ特色に溢れた地域性や教育・研究資源を相互活用して交流を行っており、本実習もこの一環となります。

 実習は、長崎大学薬学部内の臨床実習室での事前研修から始まり、複数の漢方薬局やドラッグストアの見学や大学病院薬剤部での研修を経て、実際に煎じ薬や紫雲膏(しうんこう)という漢方薬の調製を行ったり、上五島での離島実習では調剤薬局や病院で調剤や在宅医療を見学したり実践したりと、離島ならではの充実したプログラムを過ごしました。

 

薬学部の臨床実習室で事前研修を受ける様子

 

薬学部のお薬の歴史資料館を案内される様子

 

来日した教員1名が3月14日(木)に学長を表敬訪問しました

 最終日の3月15日(金)には、大学間の学生交流会が開催されました。長崎大学からは薬学部5年 鳥越彩伽さん、上薗令奈さんによる「日本育ち!漢方薬について」と題した英語での発表があり、UNMからは、薬学部4年生 Makhaila M Esquibel さん、Mostafa Qasemi さんが、「長崎での学びの報告」と題し、今回の実習の成果発表を行いました。

鳥越彩伽さん、上薗令奈さんによる発表の様子

Makhaila M Esquibel さん、Mostafa Qasemi さんの発表の様子

 Makhaila M Esquibel さんとMostafa Qasemi さんは、日本とアメリカでの薬剤師の役割の違いについて発表をしました。「実際に日本の薬剤師の業務を体験することで、薬剤師ができることの範囲がアメリカの方が広いと実感しました。」

 「例えば、アメリカでは予防接種も薬局で薬剤師が行うことができます。日本では医者が予防接種を行いますよね。」

 もちろん、日本にあってアメリカにはないものもあります。それが今回の実習に組み込まれていた「漢方」や「在宅医療」です。Makhaila M Esquibel さんとMostafa Qasemi さんは、今回、長崎で学んだ知識をアメリカに持ち帰り、日本独特の良い医療をニューメキシコの地域医療に活かしたいと意気込んでいました。


交流会の参加者と記念撮影を行いました

 交流会に参加した学生からは「日本では当たり前のことにUNMの学生さんが興味を持ってくれることで、私自身も日本とアメリカの違いに目を向けることができ、漢方が一般的に売られていることや在宅医療がある等、日本の医療の良い面に気付くきっかけとなりました。アメリカの文化で興味深かったのは薬局がスーパーマーケット内にあるということです。日本だと病院に行って薬局へ行く流れがありますが、スーパーマーケットの中に薬局があれば、買い物のついでに立ち寄れますし、薬局へ行くハードルが低いのではと感じました。日本では具合が悪くなると、その日のうちにお医者さんに診てもらえて受診のハードルが低いと言われていますが、アメリカの薬局の話を聞いて、医療へのアクセス方法が違うのだろうなと思いました。」というコメントがあり、両国の学生らが互いに学び合う様子が見られました。

UNMの学生の発表を聞いている学生たち

アメリカ合衆国のニューメキシコ大学 武田先生のコメント

 長崎大学の皆さんのご協力によって今回の実習を開催できたことに感謝申し上げます。充実した実習を行えました。特に離島実習で得られたものは大きかったと思います。私たちの大学があるニューメキシコは、市街地から少し離れると過疎化が非常に問題になっている場所です。過疎地域の医療を改善していくために薬剤師ができることを考えるのは薬学部の課題の一つです。長崎には離島があり、ニューメキシコと同じく「過疎地域」を抱えているという共通点があります。長崎の薬剤師が行っていることを学んで帰るのはとても有意義なことです。今後も、お互いの大学・地域が持つ知を活かし交流を続けていきたいと考えています。