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ゲンゴロウ研究の最前線をまとめた『ゲンゴロウ類の生態学』が出版されました

 教育学部の大庭伸也准教授が編集の『環境Eco選書⑱ ゲンゴロウ類の生態学』が北隆館から2025年4月20日に出版されました。
 ゲンゴロウの仲間は代表的な水生昆虫です。湿地環境の悪化に伴い、全国的に希少となり絶滅の危機に瀕する種がいる一方で、地球温暖化で分布拡大をする種がいます。また、湿地にすむ種は人がつくる水田などを生活場所として利用するなど、我々の生活スタイルの変化とも関係している水生昆虫ですが、まだまだ不明な点も多い昆虫です。本書は、ゲンゴロウ類に関してこれまでに国内の研究者が明らかにしてきた知見を中心に一冊にまとめた専門書になります。

大庭先生からのコメント
 『近年、日本国内のゲンゴロウ類を扱う研究者たちが執筆する論文の数は年々増えているので、一度、ゲンゴロウ類について日本人研究者が明らかにしてきた研究成果を、皆が日本語で読める形でまとめたいと思っていました。
 そして、今やゲンゴロウ類に限らず湿地や水田、池に住む止水性水生昆虫の多くがレッドリストに掲載されており、その生態や多様性の解明に加え、保全も急務の課題です。国内の研究成果や保全活動について日本人研究者の中で共有し、これから研究や保全に取り組む若手が手軽に手に取れる本を、との思いが湧きあがり、本書の出版につながりました。
 ぜひ、本書を手に取った人の中から生き物に関する研究に取り組む人が出てくることを願っています。
『環境Eco選書⑱ ゲンゴロウ類の生態学』

 なお、同シリーズのタガメやタイコウチ、アメンボなどの水生カメムシ類を扱った『環境Eco選書⑬ 水生半翅類の生物学(北隆館)』と合わせて、お読みいただくと国内の水生昆虫に関する研究を概観できるようになっています。』

教育学部の大庭伸也准教授
教育学部の大庭伸也准教授